音調整に入りました。

音調整のために、仮止めされた横板から外された表・裏板・・・おおかた裏面は既に削られています。再度削り、F孔を切り、バスバーを付けます。
音調整に入りました。_d0040395_14243672.jpg

内型を外す前に、今度は平面の合板を仮止めします。
いつも、同じ板を使う場合は おおよその見当がつきますが、
横板が厚すぎない、薄すぎないために、横板のみ調整できるようにします。
最後箱の状態で、最終調整します。 出きれば内型外したくないですね、、何か言い方法を
探さないといけません。

これから表・裏板・横板を同時に音調整に入ります。折り合いをつけながら。
※横板は面積が小さく、薄いため、裏のライニングの材質(硬さ)や、ニスの影響を
大きく受けます。
(より仕事を容易にするため、仮止め用に作られた2枚の合板)
音調整に入りました。_d0040395_14251581.jpg

音つくりについて私が考えて取り込んで入る事。
板の振動は、箱を回るように横板を通り、表・裏が振動し、大きく振動する場所が移動し、また幾つもが同時に、振動する事は良く知られています。

その結果、総てが同じ必要はありません!?が、近い必要があると考えます。。また、強い振動(縦波)を起こせる材質が大切になります。それは、美しい材質に加え、産地やその気候条件が、極めて重要です。そして構造も大切。

例、表板の何処かが振動で膨らんだ時、裏板も膨らむ、凹んだ時凹む、すると、中の空気の振動はF孔から外へ伝わります。逆は、伝わりにくくなります。そこで同じ向きの振動にならない方が良いようです。ここまでは理解できますが、そこで、左右、上下、表裏、少しずつ違う方が、縦波がおこり易く!?、強い波みなるようです!?。と音響学の先生に言われても、なかなか理解に苦しみます。 確かに私の現在の製作スタイルはそうなっていますが、デルジェスは、もっと極端に、そうなっていると思います。

楽器の箱が良く振動し、身体に振動が大きく伝わる楽器で大きな音が遠くへ届く楽器も有りますが、遠くに届かない楽器もあります。  

箱の振動は感じず、音も近くで、大きく感じなくても、遠くに音が届く楽器もあります。 音量は それほどでもなくても、 音が良く通る楽器もあります。 これらは、音の強さ、音質など、 様々な要因ですが、 ある程度広い空間で、聞かないと どうなのかは 分からないと思います。
音質は離れて聞く事で、その差が良く分かります。

横方向、左右の位置の質量・硬さは、年輪など、素材で大きく異なりますが、上下は、変化が少ないです。
一般的なマニュアルで、表で上部マイナス0.2mm(下部に比べ)、裏上部マイナス0.1で上下の音程が近くなり、良く振動します。 しかし、他に下部に比べ、もっとマイナスで、逆にプラスでも 良く振動する関係が存在します。 以外と この事は知られていないようです。 上部を基本以上に厚くする事は、経験値で理解していましたが、基本以上に薄くした時にも振動する事が分かりました。
名器の厚さの文献を見て、この事が製作者を迷わせます。 上部が厚くなれば、横板も必然的に合わせて厚くなります。 確か、ある文献に、横板は下部の厚さを少し薄くすると良いとか、いろいろ、まちまちな内容が記されています。結果良く鳴る楽器は、この関係をクリアーしているはずです。 昔の同じ製作者でも上下左右ゼンゼン厚さ配分が異なる楽器を製作している人がいます。「 いろいろな比率で、良く振動する」の事で、解決できると思います。

私は中心どうし、上下左右の4ヶ所の頬の点、中心線の上下の2点を合わせる事は、10数年前から行なってきました。この事は後になって、名器を叩く時の比較になり、理解を深められる事に繋がりました。 
どこと どこを、合わせるか?、上下、左右、対角線、ほかの場所、これらの裏表を、、、必ずしも表、裏の同位置を合わせる事が、最高かは 私には分かりませんが、
1600代までは、それに近い厚さのロケーションであったように私には思えます。 現代もまた、それに近いのではと思います。
この作業が、一番難しいのかも知れません。 どんな音色になるか、楽しみです。

(以上は、あくまで私の個人的推察と製作法です)
by cremonakuga | 2007-07-12 14:25 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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