ヴァイオリン製作日記⑤

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スクロール(テスタ)が だいたい、出来上がりました。
最初はグラマラスに、、 そして 少し、 スリムに、、
まだ、荒削りが終わったくらいで、
これから、仕上げに入ります。

殆ど、ラインを引かないで作業をしていますから
微妙なズレが生じてきます。
目でそれを修整しながら、削る。
結構、無駄な時間を費やします。
もう何日もかかっています。

おまけに、前作 「La Venezia」のスクロールと
同じ素材で年輪が斜めに入っているため、
左右ので刃の入り方が異なり、非常に細工が難しいです。
その結果、前後とも虎目が出ます。


普通は、すべて、線をひき、それをガイドに削る。
2日で、仕上がります。

線を引いても、ズレが生じ、左右対称には なかなかいきません。
特にスクロールの目は、利き腕など、
得意、不得意があり、ノミの向きが変り両方同じようには 
 出来ません。
つい、掘り込みを ここまで出来ますって、
やり過ぎたりし 失敗一歩手前まで、、、。
ここは個性が出るところです。
そこを、大胆な彫りで、かつ繊細に、美しく、、、
やり過ぎないように、、、気持ちをセーヴし、、、、
しかし、、、なかなか 良く出来た、、、とは
いきません。 次回は、、ここを
こう しよう! と 反省ばかりになります。
一生、次回は 完璧に 美しく と、仕事を
することでしょう!
今回は 彫りこみを浅い部分と、深い部分を融和した
イメージにしました。
柔らかいラインにしようと思っています。
せっかくをきっちり仕上げてから、その角をほんの少し落とし
なめらかにします。
私はその方が好きです。
そんな時間の無駄を、、、と お思いでしょうが、
それも こだわりの一つです。
だれも 分からないかも知れませんが
製作者 本人だけが 知っています。
元に形を、、、、あれれ、もう角が落ちてきた~

さて今度のヴァイオリンの名は
     「Il Angelo 」 です。
天使のように、いたずらずきなヴァイオリンに
演奏者を驚かすような 音色になってほしい との
思いも込められています。
とても 楽しみです。
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by cremonakuga | 2006-09-06 22:47 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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