Nicolò Amati1666
(Nicola or Niccolò or Nicolò)
このヴァイオリンの表板は 年輪が密で端まで細かいのが特徴です。
中心から 間違えないように数えてみました!ルーペで見ながら・・・
※
※この木材について、考えます・・・中心に近い部分でオリジナルより疎な部分があります。
オリジナルでは丁度駒足の部分に相当します。この部分は駒からダイレクトに振動し、強度にも
極めて大事な部分。ここは厚さを読み替えなければなりません。少し厚くすれば同じか?と言いますと
密で薄いのと音質が異なりますが、駒足部分は少し厚めにしますので問題無いでしょう!?その隣外側はオリジナルも新作もF字孔の内側に相当し具合は良いです。端の部分が疎なのも厚さを替えるべきかも知れませんが、これはこのまま同じ厚さの方が結果良いのではと思います。特にf字孔内側が密なのは嬉しいです!
私のしかたは・・・・・
オリジナルとまったく同じ年輪の木材は存在しないので、オリジナルより良い部分は生かし、劣る部分は少しでも同じ特製に近づけるよう心掛けます。その場合、その隣を細かくタップし、疎の部分の振動を密な部分の振動と同じに合わせます。場所により内側に合わせるか 外側に合わせるか・・全体のグラデュエーショから判断します0.1mm~気持ちです。合った場合かすかに共鳴するような、振動の流れが良くなったことが分かります。それでどれだけ音が良くなるかは分かりませんが、そうしたわずかな事の積み重ねも 音を近づけるためには しなければならない事です。とても面倒ですが!
2006年伐採材=北イタリア・ヴァルディフィエメ ・アベーテロッソです。
中心から端へ徐々に広がっていく方が 音が良く そういう意味で理想的とされています。
良い木材とされています。
ストラディヴァリウスでも1715年近辺は理想的な材料が集中していますが
端まで密なヴァイオリンも多く だからといって 悪くもなく
良いヴァイオリンも多いです。
端まで細かいヴァイオリンの音は、端が広いヴァイオリンと
音質が 少し異なります。
年輪分布は完璧に同じではありませんが、年数は同じです。一番近い材料は、今回使う予定材は・・・
年輪を数えた結果 近いのでこれにしようと考えます。
細かい部分が広く広い部分が細かなどキャラクターは違いますが全体の平均密度は近い。
各部の厚さを微妙に変えながらオリジナルに近ずけたいが
難しそうなことは確かです。
中心を一番密な部分から150年分の部分がオリジナル表板にピタリと相当します。
この木は175本年輪がありこの部分で175年という事になります。
2016年の今、少なくとも1841年以前から育った事になります。
この木が丸太の状態では、あと20年分の木が推定されることから
更に20年足すと1821年くらいの木という事になります。
Amatiの木は1500年くらいの木という事になります。
大切の作らないといけないとつくずく思います。
本当にありがたい事です! という気持ちです。
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