久我ヴァイオリン工房
昨日は、グアルネリ デル ジェズ 1741年Kochanskiの型を作るための下書きを
作りました。
ブロックのサイズは他のデルジェズのCTスキャンからの情報で決めました。
ストップサイズは、192mm、通常の195より3mm短い。したがって、ネックは、ナットから128mmになります。
全体に短いサイズのヴァイオリンになります。
大きさは351.5mm
アッパー・・・166mm
ミドル・・・111mm
ロアー・・・206mm
アーチ表・・・14~15mm
アーチ裏・・・14mm
など、アーチについては、予定します。
普通サイズより弦長は5mmほど短くなります。
計算では弦長は・・・323.4mm・・・ che 短い!


なぐり書きです!
Cremonakugaでは、デルジェズは、今後時間をかけて、1モデル1丁をこころがけ、製作していきたいと思います。2丁作るかも知れませんが、沢山作れば良いのではなく、良いものをじっくり作ろうと思います。なぜなら、この1丁についても、作るに値する、材料を吟味していますが、そうは、たやすく見つかりません。
オリジナルに似ている年輪の分布の木材を探す・・・・・・
この楽器などは、表板の年輪が、左右違う、通常一枚の板を、半分に割り、開き左右対称な板をジュンタ=接ぎ(接着し)一枚の表板にします。最初から、低音側の鳴りを、振動しやすく手当てしています。そのうえで厚さというのが、重要になります。
例、中心から、対称な場所の厚さが右2.8mm、左2.8mmで同じでも、実際は右は、2.8mm、左は2.6~、2.75になります。タップした時、もしも、同じになったとして、振動上同じになったとしても、音質に差が出ます。
それが、デルジェズの香りを再現するには、最低限必要になります。オリジナルとまったく同じような材料は、有りませんから、似ている材料で、しかたなく、部分的に厚さを修正せざるをえません。
デルジェズは、晩年その外観から、ストラディヴァリと比べられ、ぞんざいな製作と言われますが、若い時の外観は、細部まで、とても素晴らしいのです。晩年にあっては、その工芸的には、ぞんざいと言われる(彫刻的な美しさを)外観に合わせ、音響的に、まさにアートとしか言えない=細部にまで、デリケートに、作られており、再現(いや、似させ作りのは)は極めて難しい。だれも想像しえない音響的な技術と感性です。
その事から、簡単には作れない。
del Gesuの裏板 ハイフェッツ