ストラディヴァリウスの様な裏板を削る(2016.2.19サービスショット写真追加)

久我ヴァイオリン工房

ストラディヴァリウスモデル1709の裏板の曲面は、きわめて難しい!
1709に限った事は無いのですが、

ストラディヴァリ自身の鑿の痕などから、その痕跡の考え方からは
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合理的な仕事が良く分かる。
パーフリングの入る部分の鑿のアールは、最後まで分かるし、
その小さなアールを消す少し大きなアールの痕も分かる、ヒルトップの大きなアールをその2断のアールで
馴染ませている。
パーフリングのアールのみ、窪みになっていて、次のアールは、ヒルトップの大きなアールより、少し緩いアールになり、窪みに見えるが、実際はくぼんでいない、ヒルトップのアールより緩いので、くぼんで見える!

そこを錯覚すると、失敗してしまう。
あんぱんのように見えるのがストラディヴァリウス!
写真に撮ると、それが協調されて、そう見える。
実際手に取ると、感動する。

ストラディヴァリの場合もグアルネリ・デル・ジェズのその痕が分かるが、そこが彫刻的で、美しい。
あまりにも滑らかにしてしまうと、工場製品のようになってしまう。

彫刻の素晴らしい作品は、鑿跡が、素晴らしく、無駄が無い・・・・

そう目指していますが、

なかなか・・・・・
目も悪くなり、凹凸が分かりづらくなってきています。
時間がかかるのは、仕方がないですね!
写真にすると、コントラストが出て、また、観る面積が小さいので、
問題点が分かる・・・
曲面が、平面になっている部分が、数か所あり、要修正です!


私も、もうじき sono 66annni です!

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≪本物のふくらみA.S Marie Hall-Viotti1709≫
私の手にするヴァイオリンが本物の裏板の見え方で、なんとも美しいフォロムです。
現代の作り方のアーチ処理よりダイナミックで彫刻的です。
実はここには、形だけでなく音が変わる要素もあります。クレモナの1715年A.S クレモネーゼも同じ見え方です。
アッパーのふくらみ・・・
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ロアーのふくらみ・・・
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上記のヴァイオリンの完成写真追加・・・もう少しザックリ 膨らませても良かった!
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by cremonakuga | 2014-08-21 20:00 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(1)
Commented by スーさん at 2014-08-29 12:42 x
目に見えにくい細かな凸凹はそのまま残したい焦燥に駆られます。
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