ヴァイオリンの音・・・音色・・・美しさの基準とは???

久我ヴァイオリン工房

ヴァイオリンの音の不可思議な事といったら・・・・・
本当に不可思議で、魅力的です。

Antonius Stradivarius
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Cremonakuga Stradivarius
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Cremonakuga Stradivarius
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このことは、ヴァイオリンを作り始めた頃に感じた 不思議な魅力と
今感じている魅力は、まったく同じです。

素晴らしい音になった時の瞬間
そこには、30年以上前のヴァイオリンの音を聞いた時の、あの感覚が戻ります。

何が素晴らしいから、別にして・・・言葉では表現できませんが!

感動には、
大きな音が出た!
E線が、やはり大きな音が出た!
G線が、太く、やはり大きな音が出た!
A、D線が綺麗な音色で、濁りなく出た!
だいたい大きな音が出ると、嬉しい。
特にE線の倍音は、しびれます。

一日中、音を出していると、だんだん大きな音か?どうか?分からなくなります。
耳が慣れてきて、小さな音でも大きく聞こえるように耳が研ぎ澄まされてきます。
そんな時、肩から下し、少し距離を離し、胸に当てて、弾きます。
そうすると、実際の音を再確認できます。
コンサートでも、大きなホールで聞きと、どんなに素晴らしい名器でも音が小さく聞こえますが、
集中し聞くとヴァイオリンの音は、自分とヴァイオリンの関係だけのようになり、直線で結ばれ、
音が良く聞こえます。

30年余り、こんな事をしていますと、ニスの成分と厚さの関係などで、音が大きく聞こえるが、倍音が少なくなることや、倍音が増すが、音量が減ることや・・・音がどういう状態が、一番良いか?
考える事が良くあります。

そんな時、30年余り前に、音量を無視し、音色を追及した時の思い出が頭に浮かびます。
倍音が、どんな倍音が綺麗か?

今も、音量と音色、倍音をどうコントロールし、仕上げるか?
一番難しいことだとつくづく思います。

音量が増える時の、表板、裏板のタップトーン。
E線が素晴らしい時のタップトーン
同じくG線が
D線がクリアーな時のタップトーン
E線をピトカートしたときの音色
E線の倍音、ハイポジションの時の倍音と音量

結局、良い木を使い、しっかり厚さを決め、上手に箱を作り、いかに、適度に柔らかい良い成分のニスを薄く塗るか?
駒や、魂柱は、付属品なので、どうにでもなる。
・・・に尽きることは間違いない事実。

ヴァイオリンを弾く方は、ヴァイオリンを作るのに、こんなにいろいろな事を、どうしようか?と悩み、最善の道を選び目標へ近づけることをしているとは 考えも及ばないのではないだろうか?

駒がちょっと傾いても 1本の弦が古くなっても、弦に松ヤニが付着しても、湿度が変化、また肩当て無しで、部分的にヴァイオリンの温度の差が出来ても音が変わる。


良い音のヴァイオリンは、きちっとしたメンテナンスをし、良い状態を維持していないとしだいに悪いヴァイオリンへと変化していく・・・
製作者としては、恐ろしいと思う事です。


大切なヴァイオリンは
大切に使う事が良いヴァイオリンへ成長させ 良いヴァイオリンで維持できる事です。
時々、休ませることも必要です。長時間沢山弾く人は、最低替えのヴァイオリンもあったほうが良いと思います。
特に、ストラドタイプのデリケートなヴァイオリンは、確実に過労で倒れますから・・・・

Antonius Stradivarius
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そんな事を思いながら、今日も音を作っています。

HPヘ
Cremonakugaは・・・・・・・




久我ヴァイオリン工房
by cremonakuga | 2014-02-26 17:14 | Trackback | Comments(0)
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