久我ヴァイオリンが思うこと・・・・ヴァイオリン作りになるって

久我ヴァイオリン工房
ヴァイオリン製作について、若い人たち、ヴァイオリン製作学校へ通われている方達から、たびたび、問い合わせや、アドヴァイスを請うことがあります。将来良いヴァイオリンを作るために、またイタリア・クレモナを志す方などなど・・・心強い限りです。・・・・・・が?

あまり、無責任なことも言えませんし、お薦めもしません。
ヴァイオリン製作者になること・・・


もし私が、20才~30才だったらどうするか???

なんだか若返った感じで嬉しくなりますが・・・・

日本で、ヴァイオリン製作のみで、家族を養い、生活をすることは、とても難かしいということを考える必要があります。そのため、製作のほか、修理、毛替え、ほかの楽器、弓なども販売、お客様にとって、助かることを、総てこなさねばなりません。収入面では、サラリーマンのように安定しません。現代では就職もままならない時代・・どうしたものか???

難題が重なるとは思いますが、勇気も要りますが!
私が若い時、宣伝という第一線にいて、写真学校に通い 専門分野のプロカメラマンを真剣に考えた時、会社を辞め、ニューヨークへ行こう!若さから無謀な計画を立てましたが、やはり同じ問題にぶつかりました。収入が1/10になることは、将来は???現実的ではなく、あきらめました。
ゼロからであれは、また違ったと思いますが????


そのうえで今、ヴァイオリンを作ると考えた時・・・・


私の場合は、 ずいぶん後に、イタリアを選び、行ったのは明るいイタリアの空気感がピタリと合っていたためと、目指す楽器の発祥地で、そこにいるだけで、気分が高揚するためです。 製作以外は、のんびり、アバウトな性格も合っていたためクレモナなんです。

超一流の演奏家が、第一級品の名器で弾く生の演奏を沢山聞くことが大切です。それが無理なら、意識して、CDでもDVDでも聞くことが大切です。若いうちに耳に、頭に、良い音とは、を明確にして置くこと、指針を正しく、はっきりさせることが大切です。

アマチュアの年配の製作者さんの友人たちが沢山いますが、なぜヴァイオリンを作るかというと、昔から好きで、名演奏かの名演を生で聞いて感動したり、名演のSPを沢山もっていたり、耳が肥えた人が沢山います。50、60過ぎてから仕事のかたわら製作しているため、楽器としての、製作技術、ニス塗りなど、苦労して製作されています。
しかし、見た目は、もう少し頑張ってって思いたい楽器でも、素晴らしい音が多かったりし、音質のレベルは決して低くないです。
これは、耳が肥えているからです。


ヴァイオリン製作の道、魅力的ですが、本業とは、かなりの覚悟が必要です。
しかし終着点がない仕事です。


結局、何を言いたいのか?支離滅裂なことになってしまいましたが、

ヴァイオリンを作る事で、一番大切なのは、耳です。どんなに綺麗なヴァイオリンが作れても、音が良くないと、結局、どうしようもなくなります。沢山、最高の音楽を聞く事しかない! 最高のイタリアン、フレンチ、ワインを知れば、何が美味しく、なぜ美味しいのか・・良いのか分かるのと同じです。 良いヴァイオリンを沢山見て、沢山聞く・・・・最高の音を聞き、知り、感動する事です。
作るは、その下地が有っら、楽器も良い物が出来たか、悪いものが出来たか良く分かります。どこが違うか?はっきり分かります。

食べ物屋さんは、美味しければ商売繁盛します。ヴァイオリン作りも、綺麗で音が良ければ、売れる可能性が高くなります。
修理は、製作と、同じであって、違います。修理は大きな責任が伴います。専門に学び経験を積むことが必要です。

ヴァイオリン作りになっても、日本では、なかなか製作のみに力を入れて生活するのは大変のようです。修理や、製作教室、材料、他者の楽器を販売したり、音楽教室を開いたりしています。その結果楽器がなかなか作れないというジレンマになっているようです。
製作者になるのは、たやすいけど、生活するには、色々な能力、力が必要です。

60過ぎてから、やっと納得がいく楽器が作れるようになってきました。
ながーい、ながーい年月が過ぎます・・・若いうちに専門でなっていたら、多分、今より良い楽器は作れないと確信します。形は綺麗かも知れませんが・・・
若いうちには魅力ですけれども・・・・・これほどに製作者が過剰なことも考えておく必要があります。

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Cremonakuga






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by cremonakuga | 2013-06-08 15:15 | Trackback | Comments(0)
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