ストラディヴァリニスの再現に使う秘策 微妙な色再現に使ってみます。 ブドウの枝が工房に届きました。 山形酒井ワイナリーさんに、お願いし、剪定の忙しい中、ブドウの枝を分けていただきました。 いろいろ試しましたが、成分の珪酸カリウムをずいぶん含んでいるようで、燃えにくい! 色の為には、黒い灰を、黒いニスとして使えなくはない、良い方法ではないかと思う! しかし、生木は、なかなか燃えないので、しばらく放置することにします。 黒は赤と混ぜると紫色になる。ストラドの赤の紫系は、違う。単独で使える。 しかし、現在は、あまり必要ではないことが分かった。 板の強化としては、使いたくない。珪酸カリウムは、水ガラスだから、だいぶ昔し 使い、あまり良い結果はなかった記憶があるからです、現在は、ヴァイオリンの強化は、形状、と厚さ、ニスの塗り方で強化をしています。。。。。 ブドウの灰は、黒く、黒いニスを作る時に使えます。大昔のレシピにも存在します。 ストラディヴァリが使ったかは不明ですが!? たぶん使っていないと思うんですが、 赤が乾いた上から黒を塗ると、赤が濁らず濃くなる。これを私はサングラス効果と呼んでいます。薄いニスで濃く見せる便利な使い方です。絵画的のは、下の色が透けるように上に色を上せるのをグラッシュと言った記憶が!??? 追記)2013年現在、未使用です。実際に、水ガラスとして使われたと思っていないことと、ニスに炭素、墨の粉など使われた形跡がないため、あくまで、本物志向です。何かに使うことがきっとあるでしょう! 追記)2014・・ヴァイオリンのニスについて思う事・・・ヴァイオリンは、ニスで音が良くなるとか・・・ニスは関係ないとか・・・名器はニスは良いからとか・・・丁寧に20回塗っていますとか・・3回で終わりにしますとか・・・ストラディヴァリは、当時普通のニスで、音に関係なかったとか・・・ヴァイオリンのニスについては、誰もが、何が本当なのか?・・また製作している人も、特に若い製作者などは、混乱する事でしょう・・・ そこで、ニスが音にどう関係するかを、分かる限りで書いてみます。 ニスの役割・・・ 1・・・楽器の保護、(打突、摩耗、湿気、温度) 2・・・楽器をより美しくする。 3・・・白木の木部を、すこしですが、ニスが補強する。 4・・・ヴァイオリンニスには、大きくは、アルコールニスとオイルニスがあり、含まれる樹脂や溶剤で音質がすこし~大きく変化する。 主にこれらが知られています。 しかし、楽器のニスに関して、種類が違っても、共通することは、その硬さは、硬すぎない事、完全に乾く事、、内容物の音響的な振動を、妨げないか?振動の伝達が良いか?その楽器に対して、厚過ぎないか?です。 ニスで音が良くなる場合・・・・ニスが硬くない、楽器に対し、厚くない。中に含まれる樹脂が、音の振動に良い。たまたま木が、薄過ぎた部分にニスを厚く塗った時、つまり楽器の本来に、音響的振動を妨げず、良い方に働く場合。 名器はニスが良いとか・・・・クレモナ名器は、表板は、アベ^-テロッソですが、松脂=樹脂が一番少ない時期に伐採し使います。松脂が少なく、しかし年輪部分に、少量の脂が残り、それが強さ、音響に良く、脂が無いビアンコより、向いています。 すこしは有ったほうが良く、カラマツ・・アベーテロッソ・・赤樅と言われる木に含まれる樹脂=松脂か、同じ種類の樹脂を使い、つまり相性の良い樹脂を使い、混ぜるオイルで柔らかくし、使っています。板が薄い名器では、柔らかく、相性が良いニスを少し染み込ませ、見えない内部にニスを塗ったのと同じにしています。外側のニスが取れても、実際は、ニスがまだ効果を発揮し、音があまり劣化しないという事です。そういうニスは1700年代、最後のクレモナ名器と言われるストリオーニが、そういわれ、失われたニスで、名器が現れないと言われています。まあ、そういう事ですが、ニスは、関係ありますが、根本的な作りに意味が大きいと思います。 丁寧に20回塗っています・・・剥がれやすい、単一樹脂に近いクレモナニスに対し、丈夫なアルコールニスが生まれ、樹脂は、コーパル、ベンゾエ、サンダラック、ゴンマラッカ、ジネプロ、エレミ、マスティックなどを硬くならにようにブレンドし、アルコールに溶解し、色素を溶かしたアルコールと混ぜ、薄い色から濃い入りへ順に極薄く塗り重ね、その過程で、磨き、表面を滑らかにしながら塗る。そのため、20回くらい塗って、やっと、ニスの厚さが整い、完成します。アルコールニスでは、数回では終われません。20回塗っても硬くないため、音の振動を阻害しません。しかしながら、いろいろな樹脂の関係で、松脂の樹脂とは、少し音の香りが違います。 ブドウの枝には、楽器の補強にための、自然の珪酸カリウムがあるようですが、薬品の水ガラスを何回も塗ると、音は悪くなります。 3回で終わります・・・オイルニスは、主に樹脂にリンシードオイルを混ぜます。リンシードオイルは完全に固まると、硬く、回数が多いと、振動を妨げます。そのため、振動を考えると」数回が限度です。あまり多く重ね塗ると、音質が鈍くなります。数回で済ませるため、オイルニスでは、色を付ける時、刷毛を使わず、指や、手の平で、薄く塗り込め、見た目も完成度を高めつつ、ニスを少なく仕上げます。回数を少なく塗りながら色をむらなく塗るには、擦り込むなどしないと出来ません。それでも、少し厚いと、音質は鈍くなりがちです。 ストラディヴァリは当時普通のニスで、音に関係無かった・・・は、ニス自体、樹脂自体、ごくありふれていますが、アベーテロッソと相性が良く、音の振動の伝達に良い樹脂を、柔らかく塗ってあったので、本来に白木をヴァイオリンを内部から補強し、振動を、最大限邪魔せず、振動を素直に伝達させた・・・つまり関係無いのですが、大いに関係したと言えます。樹脂、オイルで感じる音質は違います。 まとめますと、振動に良い樹脂を、何で溶かすかで、塗る回数を制限され、薄い板の楽器は、それだけニスが厚ければ影響が多く、厚い楽器であればニスの影響は少ない。樹脂の音の振動の伝達が良いか、悪いか、・・・をどう楽器に合わせて作り塗るか?という事です。 ちなみに、リンシードオイルは、固まるよ、ゴム質のような、あまり音の伝達には良くありません。リンシ-ドオイルから作るリノキシンは、アルコールニスが割れにくく、エラスティック性を高めるのに使う場合があります。ごく少量を使うべきで、多用は、家具のように丈夫で保存性には良いのですが、音質には 少なからず良くないと思います。 なんとなく、整理がつけられたのでは???ヴァイオリンのニス・・とは・・思います。
by cremonakuga
| 2011-12-01 21:42
| ◆クレモナニスの美
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Comments(4)
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スーサン
at 2011-12-08 12:45
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如何に使ってどうなるのか?葡萄の赤み?興味深深です。
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cremonakuga at 2011-12-08 22:29
今度お会いしたときにでも!
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ひさこ
at 2011-12-11 05:22
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cremonakuga at 2011-12-12 12:42
いやはや、なかなか難しいことやっています。 300年前を探る旅は、奥深いです・・・・
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