cremonakuga violino 名器との旅(最終)

台湾への旅…名器と一緒に   No.4
Antonio Stradivari Cello 1730 ex "Pawle"
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当初、ヴァイオリンはストラディヴァリのヨアヒム、などであったが、
なぜか、ストラディヴァリの1709Viotti& デルジェス1744Ole Bullになっていた。
この2挺は、外へは出さない楽器と聞いているが、特別であったようだ!
ツアー中は、セキュリティの面から、警備員的意識で、いつも楽器から目を離さないようにしていた。
チェロは、ストラディヴァリの1730Pawle、ストラディヴァリの・ボッケリーニ・チェロ1709(1709Boccherini)、アンドレア・アマーティのチェロ1577


特別の ご配慮で楽器を調べさせて頂けました。
Ole Bullほか、私なりの方法で…音響的な見地で。
また、自分で弾き、Viotti,Ole Bull,などの名の有る名器から10挺くらい、名器の響きを体感できた。
弓の毛が弦に触れた時の感触は??
正真正銘本物のストラディヴァリを何本も、デルジェスを何本も弾くと、やはり
良いヴァイオリンは、こうだ・・というのが分かる。
エルマンも音を出せた。
こういうヴァイオリンは、かなり弾き慣れないと音楽を作れないのでは、と思う。

良い音を出すのは、難しいことを確信した。
名ヴァイオリニストでないと、上手く扱えない。

自分のヴァイオリンが、どうか?
比較するためには音の感覚の見本が必要です。

自分のストラディヴァリモデルとの似ている点は…・

今回特に感じたのは、D線の特に透明感のあるポジションが同じであった点。
A線にDoの上あたりから、音色が、やわらかくなる感じが似ている。
これは大きな収穫であった。
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名器全般に言えることは、特に、G線は、ほとんど、少しモアッ、とした、ウルフ感のような感覚を感じた。
少し弾くと、いろんな音色が出てきそうな感覚。
演奏家では無い私には、そう感じた。

少し休んでいた名器が、久保先生によって魂で弾き込まれていき、変化する様を見た。
ストラディヴァリのヴィオッティ、デルジェスのオーレブル、全然異なる個性が強い楽器を、同時に弾きこなすのは、大変だと思った!
しかし、トルテの中でも最高のトレテは、どちらの楽器にも使えて、音と表現が出来るとおしゃっていた。
1週間で、フェラーリがF1のフェラーリに変わる感覚を経験した。
多分一生に一度の経験になるかも知れない。

1週間も経たない前に新しく着いた世界の3挺しかないという1577 アンドレア・アマーティの装飾されたチェロが、来て初めて演奏されたが、
信じられない響きは、ストラディヴァリのチェロ・1709 Boccheriniと1730 Pawleを超えていたように感動した。
ほんの少しであったが、弓を当てて音を出した感触は、底から低音が響き渡る感じがした。
ホールでも響きわたっていた。
チェリストの福野先生も、素晴らしいとおっしゃっていた。
私にも、こんなチェロが作れたらと、ため息が出た。

今まで、いろいろな著名な演奏家の方達に、ストラディヴァリ、デルジェスなど、数多く見せていただいたのは、、
殆ど偶然で、積極的に頼んだことは無い、たまたま、だが、何か、不思議を感じます。
今回も、何か不思議でした。


そこには、いつも人の温かい心を感じます。
いや、良いヴァイオリンを作らねばと、決意を新にした、私にとっては、最高に有意義過ぎな旅でした。

ちょっと!記念写真を…・
このダブルケースに、ストラディバリウスMaieHall-Viotti1709 & グァルネリ・デル・ジェズ1744Ole Bullが入っているとは、誰も信じてはくれないでしょう!
計28億だそうです!ハ~ッ(ため息)! それ以上に、もう これしか無い。歴史も背負っている名器。お金に換算できない価値もある。

以前、ヴァイオリンは道具、弓は、芸術品と言っていた方がおられたが、
確かに、フェルナンブーコの良い材料がもう無い、それゆえ、どんなに腕があっても、最高の弓は作れないと聞く。
最高の弓は、特に大切に扱われる。
しかし、良いヴァイオリンが無くして、弓の存在も活躍も有り得ないのではと思う。
どちらも見ているだけで美しい!
音も美しい!
手にしているだけで、オーラを感じる。

ヴァイオリンも道具であっても、やはり貴重な芸術品に違いない。

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また、ツアー中は、何が起こるか分からないので、一応 不測の事態に備えて、魂柱立て、ミラー、魂ハンマー、ミニライトなどを携帯していた。
出番がなく、良かった!持っていない時に限って何か発生するものです。

以前、元ベルリンフィル・コンサートマスターのライナー・クスマウルさんのストラディヴァリを急に、いじることになったことも有った。

 また、家に帰って、私のストラディヴァリモデルは、何度もニスを調整するうちに、ニスが厚くなっていて、本来の音が出せないでいたため、
総てニスを取り去った!、せっかく良い感じではあったが、何でも思い立ったらすぐに実行!

その課程で、、ネックに不具合発生で、ネックを接ぎネックにし、おまけに、クラウンも入れ、ブッシングもする仕事を増やしてしまった。
それがこれです。

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今月末に、池袋の明日館で行なわれるフェアで試奏をしてもらおうと考えている楽器、
昨年も同じ楽器を試奏してもらったが、内部をいろいろ改造し、別な楽器に生まれ変わった! その音色を どうしても聞きたい! そして効果を確認したい 次回作に生かしたいからです。


※なお、名器の写真は、勝手に公開出来ないため(また楽器庫は No potograph!であった)、とても美しい楽器を、ご紹介できず とても残念です。

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☆オールド・クレモナの音の再現の取り組む工房
また、ストラディヴァリのニスを再現し クレモナニスを既に使っています。
by cremonakuga | 2010-05-16 02:21 | ◆ヴァイオリン・コンサート | Trackback | Comments(0)
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