ネックが????接ぎネック・・・1

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久我ヴァイオリン工房

Caffe o Te

Ah~! ガルネリのネックが…・・
スクロールが、……・?

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接ぎネックをします。
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コピーの ex.David. Heifetzのネックが、実際の継ぎネックと素材感が違っていましたので、
機会があったら、ネックを交換したいと思っていました。

ネックや、裏板・横板のカエデの虎杢は、はっきり出ているのも良いですが、
また、地味なのも、なかなか味があって好きです。

しかし、これは、素材感まで合わせていたので、これで一応 長い仕事が終わります。

見た目だけでなく、音色もガルネリの特徴をコピーするという試みの作品でした。

何度も表板を外し、微妙に削り…・・ガルネリ先生が、何をしていたか?多くを教えていただきました。


丁度2年の歳月がかかりました。最初とは、音色は まったく別な楽器になっています。
これで、この楽器は完成したということにします。


ストラドArcobalenoは丁度1年経ちました。こちらも、外からも削り、表板も開け、中からも削りました。
こちらも、まったく別の楽器になっています。
ストラディヴァリ先生にも、いろいろ教えていただきました。

これらの取り組みは、 少しでも、自分が求める音色をコントロールするための取り組みです。

自分が作った楽器が、今まで通り意図した設計で、結果音が良かったら、それでも良いのですが、

高音・低音などをどう鳴らすか?その音色をどうするか?の自在なコントロールが、目的です。

どんな音の楽器を作るか?その設計は、どうするか?

やっと、そこにたどり着いたところです。

先は、まだまだ険しいようです。やれやれ!


接ぎネックですが、なぜ必要か、そもそも昔のバロック時代のヴァイオリンはネックが短く、角度も現代と異なり、指板も違うことから、現代の仕様にするために施されました。
また、現代のヴァイオリンにおいても、どうしてもネックに問題があり、長い、短い、細い、狭いなど、改善しようがなく、やむなく、スクロールを温存しながら、行う場合もあります。
いかに新しいネックと、もともとのスクロールをぴたりと合わせるか、違和感なく、上部に、美しく、無理やり力で押し込み、力で圧力をかけるのではなく、ストレスなく、どこもかしこもピタリと面が合うようにする必要があります。何度も確認しながら、面が、吸い付くようになるまで、します。
また、接着の膠が、薄い綺麗にできますが、弱いので、普通の濃さの膠を使いますが、その為には冷たくない部屋で、接着面を十分に温め特にスクロールはあまり熱く出来ないので、新しいネックは十分に温めます。、ニカワが面に、厚さを残さないように、準備し、ニカワを付けたら、即座にすり合わせ、余分なニカワを出すと同時に、速やかに接着し、接着面がピタリと合っているか確認し、角度、中心ラインが正しいか確認し、上下から当て木をしてクランプで止めます。下の接着面を確認、しっかり締め、余分なニカワが出ます。次にサイドに当て木をし、クランプで閉めます。余分なニカワが出ます。サイドの接着面を確認します。

当て木のコルクが付いているため、時間の経過でクランプが緩んでいたら、締めます。

後に、内部、外部を彫り、削り、、古いスクロールの木と新しいネックの木の重なった穴を、二周り大きく穴を開け直し、ブッシングを行います。柘植材の棒、1本で行う方法と、両サイドから別々に行う方法がありますが、通常1本で行います。柘植のブッシング材を、ペッグと同じように、合わせペッグ方向からニカワを入れ刺し、ねじりながらしっかり押し込みます。その時、ペンチなどで挟み、しっかりねじれるよう、力が入れられるように! 手では、回せません、弱く入れることになります。
継ぎネックではA線の穴は、必要ない場合が多いのですが、ほかと関連して、新しいペッグなどで、A線ペッグ穴も行う場合は、ネックが狭いので、割れる場合があり、慎重に、手加減しながら行うことをお勧めします。
せっかくの仕事を、重大な事故で、仕事を増やし、取り返しがつかないことになります。

なおブッシングに際しては、ニカワを付けて押し込むと、滑り、3~5mmくらい余分に入る、2~3mm手間くらいで丁度良い。経験で異なり、無駄に材料を余分に使わない。一か所すると、どれくらいか分かります。

ブッシングは、内部を小さなノコでカットし、後は平ノミで、 ニスに傷をつけないように周りから削り小山のようにしながら平面にします。一般的には、透明ニスを最初に塗り、周りに合わせて、色ニスを塗り仕上げます。
透明ニスは、ヴァイオリン用のニスがベストです。アルコールニスの楽器なら、アルコールニスを、オイルニスであればオイルニスを、お勧めします。

修理の現場では、一般的には、シェラックニスを塗り、シェラックニスにピグメントを混ぜながら、周りと同じ色になるようにしますが、ボディーのキズなどにも使われます。シェラックニスは、硬いので、楽器にはあまり良くないです。乾きが速いので仕事が早く終わりますが・・・良心的なのは、ヴァイオリン用のニスの使用です。

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by cremonakuga | 2009-10-23 12:04 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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