ヴァイオリンのネック

cremonakuga violino

久我ヴァイオリン工房

Caffe o Te

バロックヴァイオリンのネック、指板をデザインする。

ネックの長さは、5mm短く125mmで、試算してみます。


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以前、拝見させていただき、タップもさせていただいた1690年製の、ピエトロ・ガルネリのアーチの高さは、とても高かったので、
計らせていただいたが、19mmくらいありました。

もし、当時この19mmの高さのピエトロ・ガルネリに、ネックに角度をつけず、水平に付けるとします。
駒を分り易く高さ32mmとすると、
駒での弦の角度は、約158度くらいになりそうです。
現代角度と変わりありません。

アーチ、15,4mmの製作中のバロックで、同じ32mmの高さの駒を使い、
角度157度から158度にする為には、
ネックに、3度くらい角度をつけなければなりません。
また、ナットの位置も6mmから7mmくらい下にしないと、この角度は得られない。

ストラディヴァリの楽器は、弦の変化と、ピッチが上がったことにより、大きなバスバーに変わった以外、あまり、大きな変化はないようです。
ネックの形や、素材の変化など、勿論、変化はしましたが、

バロックだからって、なんでも、かんでも、並行にネックを付けると、表板へのテンションは少なくなり、可能な能力が発揮されません。

この角度は、とても重要です。
当時のハイアーチの楽器は、ネックを並行にして、丁度良かったようです。
現代もアーチの高さで、ネック位置や、角度が変化します。

そうしないと、同じ弦の張力でも、駒から、表板への方向の圧力が、強過ぎたり、弱過ぎたり、能力が発揮されないからです。

図面で、沢山線を引いたため、図面が、分らなくなってしまいました!

さて、清書しよう!


指板の受けが出来ました。黒檀の板が、届きましたら、接着作業にかかれます。

弦の角度は、159度くらいを目標にしよう!

さあ、これから、スクロールにかかります。


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by cremonakuga | 2009-09-21 17:22 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(3)
Commented by アーさん at 2009-09-21 20:47 x
まいど!アーさんです。
駒上の弦の角度159度は、現代ピッチでストラドが一番良く鳴る角度といわれていますよね。これは、バロック仕様でも同じという事でしょうか?
Commented by cremonakuga at 2009-09-25 22:37
アーさん こんにちは!
ストラドのバロック使用は、バスバーが、小さいことと、ネックが短い、ネックのプロポーションが、太めで、スクロールの位置が違う、
また、駒が少し低かったことなどがあります。
私の楽器は、159度は、実際には、160度前後になると思いますが、
楽器の違いと、弦の違い、そして、アーチの高さで、変化する必要があると思いますが、昔は、角度は、いろいろ有ったのではと思います。
Commented by cremonakuga at 2009-09-26 02:14
160度には、なりませんね! やはり、159度くらいです。ネック並行につけて、160度ですから・・・・・・
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