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バロックの駒を作る・・・


既製のバロック駒もストックしていますが、
ただの駒材から バロックの駒を新たに削り出して作ります

左右の空間は、実際に楽器にセッティングする時に、
調節します。
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作る順序が違うようです・・・・・・が
駒から作るのは、こころの準備みたいな儀式かも。

さあ~創るぞ=っていうような

駒は、厚いので削りずらく、ここまで来たので、もう少し薄くしてから、きちっと削ります。

これから、ご注文のバロックヴァイオリンに取りかかります。

まず、工房の清掃と、整理をし、環境を整えてから!

次ぎに、材料選びから

場合によっては、型から・・・
そして、
横板から製作、
表板、
裏板
ネック・スクロール
指板
などなど・・・・・

バロックヴァイオリンは現在のヴァイオリンの元になります。
ストラディヴァリウスも、ガルネリもバロックヴァイオリンでした。
当時はネックの長さも短く、指板も短く、その時代の曲に間に合う長さであって、長さもまちまちでした。
ネックの角度も緩やかで、現代のより弱い張力でした。
基準のAも低く、弦も、ガット弦でした。
現代は、ネック、指板の角度がきつくなり、弦も強く、ピッチも上がり、それに対応し、中のバスバーを長く大きな、丈夫なものに交換され、現代の弦の張力にも耐えるように変えられています。

バロックヴァイオリンは、弦楽器製作者にとっては、原点とも言えます。
弱い張力で楽器が鳴るように、昔ながらの構造で創ります。
by cremonakuga | 2008-11-25 16:32 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)

アメリカヴァイオリン協会(VSA),アメリカ珍?道中!

だいぶブログ更新 時間が経過してしまいました。


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2008年弦楽器フェアが終了し、翌日からアメリカヴァイオリン協会のコンベンションに
参加してきました。 会場はオレゴン州ポートランド、コロラド川の脇のホテル!    



フェア3日間立ちっぱなしで、腰が疲れ、飛行機の長旅で、また腰が疲れ、
Portlandに着いた時は、ヨレヨレ!

迎えてくれた初めてのアメリカ・Portlandの紅葉は優しく綺麗でした。

(荒井氏撮影して頂き、ちょっと気取ってみました)
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会場には、Cremonaに居た時に、居た韓国人の製作者の方達が大勢来ていて、何故かイタリア語が共通語で、世界は小さいと感じました! 驚き!
piccolo il mondo

Cremonaの学校で一緒だった L さんが、頑張って出品していました。 K さんの旦那さんも、
Kさん家族は アトランタで仕事をしているとのこと!
韓国の方達は、世界に羽ばたいていました!

私は
アメリカにはあまり興味が無く、行きたいと思ったことはありませんでした。
銃社会で危険な国という感覚が強くあります。

子供の頃には、
TVは、アメリカもの全盛でした。

ホームドラマは、名犬ラッシー、パパは難でも知っている、うちのパパは世界一、ルーシー劇場
西武劇は、コルト45、ララミー牧場、ライフルマン、マックイーンの拳銃無宿、ローンレンジャー、ローハイド
そして、アンタッチャブル、ルート66、ハワイアンアイ、スーパーマン、ハイラム君??、透明人間は?、これは,アメリカだったかしら!!?
などなど、ほとんどアメリカものを毎日見ていた。
完全にアメリカナイズされていた。

コロラド川を見た時には、あの西部劇に出てくるコロラド川がこれか~大きいな~と西部劇の風景と重ねてみていました。
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しかし、銃も恐いが、またまた恐い、恐い車社会、
横断歩道の歩行者信号の変わる時間の速いこと…・2秒くらいでした。道の真中で、赤(日本でいう)、完全に車優先、人が歩いている事が不自然なのでしょう! きっと!


話しを元へ…・・
コンベンションは、なかなか、面白く、いろいろな発表がなされました。
と言っても、すべてアメリカ英語、大分慣れましたが、5%くらいしか理解できず…・・
残念! しかし、題材が、ヴァイオリン、音のことなので、眠くはならず、時間が経つのが速く感じられました。

弓のフロッグの工作用ジグを開発した発表とか=垂直に穴を開ける…・考えると、単純で、そこまでしなくてもと思うのですが、
アメリカ人は、そういうのが好きなようです。ガレージや、地下室に、工作機械が揃っているようです。


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イノベーションルームでは、外側にバスバーのような、ギターの内側のような梁が外側いっぱいに補強してあるバルサのヴァイオリン、…・・それが、優しく心地良い音がします。勿論ソロでは使えませんが、軽い楽しい音、十分楽しめる…驚きです。

かなりの労力を費やしていると思う。返って高価なものになりそう、そうした取り組みから 新しい発見が開く可能性もある。


ジョセフ・カーティンさんの軽量化を目差したヴァイオリンは外は普通ですが、内側がバルサで軽量化されているヴァイオリン、  サドルと一体化した顎当て、など軽量化されているとのことでしたが、あまり軽い印象はありませんでした。こんなに努力してこの重さなら、そのままの方が良いのではと…思う…しかし、、一方では、そうした、新しい視点での、こうした真面目な努力も大切と思おう。

ほかには、周波数解析して、音を操る…・
タップトーンを、機械でこおない、…・・

次世代のヴァイオリンは、はたして どんなヴァイオリンなのか?
いろいろな取り組みは、科学的に、証明できるよう、みなさん努力されていました。
数値、などなど、音響学、科学、テクノロジー…・

しかし、それでも、まだまだ解明されないいろいろな事が…・

アナログで作りながら、経験則で進歩する…方法と、一方 科学的、音響学的方法…
一緒に、協力すると、進み具合がおおきいのではと感じた。
アナログ製作は、いろいろな発見があったとしても、その代で、ほぼ終わる。
貴重な経験は、残したいものです。

<コンペティション>

コンペティションでは、私は、裏板厚さ6mmのガルネリ・ハイフェッツ!で参加しました。
後から思うと、少し無謀でした!コンペ向きでは、無い!
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アイテムは、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、カルテット(ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1)、ヴァイオリン弓、ヴィオラ弓、チェロ弓、バス弓、
楽器は、Workmanship と Toneをそれぞれ別な3人が審査
作りは、製作者、、音は演奏家が、それぞれに、最高がSilver Medal foe Workmanship Silver Medal for Tone と他にCertificate of Merit for Workmanshp ,&同 Toneが有る。
Workmanshipは、出来たてのように綺麗に平均にニスが塗られた楽器と、 角が落とされて、キズやニス剥げたようにアンティークに作ったものも、
差別せずに評価される。

例えば、アンティーク仕様は、キズは、自然か?ニスの剥げ具合はどうか…結構、下手をすると、自分で減点をつくり、自滅しかねない。

コンペティションは、アンティーク仕様も可能で、珍しい!
アンティーク仕様は、真剣に取り組むと、かなり難しい。 どちらも難しいのですが…・

個性が尊重され、レプリカを競うのではないため、本物そっくりに作ることは、あまり意味もない(完成度が高ければ別かも)ので、最初から、ワークマンシップは捨てて、音のみで
どんな、もんか参加してみました。
  裏板厚さ6mmは、癖と個性があるので、吉と出るか、凶と出るか????? それしか無いのでしょうがないのですが(涙・汗)!!!

ヴァイオリンの音の審査員は、上海カルテットのメンバー2人と、アメリカ人女性Carol Sindellさんで3人でした。

後で分かったのですが、Sindellさんは、ハイフェッツに習ったようで、ソリストでボーングは、とても上手でした。
上海の方達も…・・一生懸命に、審査していただいた 様子でした。

ジャッジのみなさん 沢山楽器を,何日もかけて弾いていただいて、本当に ご苦労様でした。

入賞楽器の公開試奏の時の音の出し方、出てくる音は、……・

明らかに3人三様、楽器が、別の楽器に 思われるほどでした。

楽器の音はジャッジの好みか、どうかという事になります。
そのジャッジが、数分間で鳴らしやすく、そして良い音と感じるか どうかになるようです。
その判断になるようです。
将来性は考えていないそうで、その時点の音で審査した!とのことでした。

うかがった お話しでは、何年もプロが弾き込んで、参加しているのは普通らしいです。
私のは、合計でも1時間も弾いていないので、その点は、ハンデか…・どうなのか!~

しかし、ガルネリは一般的に、弾くポイントが駒寄りになる、鳴るには鳴りますが、それなりに強い音は駒寄りを弾かないと、圧が弱く感じ、鳴らないので・・・と、それは、想定していましたが・・・

当然、コンペ向きではないので、審査の時にジャッジに依ると思いました。
賞に入った楽器を、公開試奏が有り、そこでの どなたかの質問で、見た目での判断は無いとの事でしたが、
今回は、ヴァイオリンについては実際には、音で賞に入ったものは、総てアンティーク仕様でした。
また、ワークマンシップの入賞の方達は、総てイーブンに塗られたヴァイオリンでした。


ワークマンシップも、興味深いことに、3人の審査ですが、

お恥ずかしながら・・・・・私のを例にしますと、
レプリカ仕様の私の楽器は、スクロールの作りで100点万点に換算すると、、1人は80点、他の1人は30点、
ニスも、1人が80点、1人は30点…、モデリングは80点と40点
明らかに、好み?という事になっているのか?。 ジャッジ好みか、どうか???。
こんなに、ジャッジで差が、どうして出るのって…・と思ってしまいます!

アンテーク仕様は、特に、ジャッジ幅が大きくなる可能性が有るようです。

審査員の一人であるグレッグさんに、話しを伺ったのですが、(イタリア語で)
彼は、微笑みながら、楽器を見ながら、パチエンツッアと言いました。

確かに、傷の一つひとつを同じように再現していたのを見て,根気と忍耐のいる仕事をしましたね!
と言いたかったようでした。

偶然、イノベーションルームに彼の製作した、ハイフェッツがありました。彼のスタイルで作られていて、中のラベルは、2つついており、
古く見せることに、かなりの拘りと労力が費やされていることが分かりました。中は本物のようでした。 楽器の特徴は、私と同じ傷がありました。いやハイフェッツと同じ場所に…・・
叩くと、厚さは、左右非対称で、当然低音が、膨らむように設計されていました。

実際のハイフェッツとは、違っていて、一般的なデルジェスの音に近い設計でした。
参考までに、トーンで入賞したヴァイオリンは総て、低音が膨らむような設計(厚さ、非対称)になっていました。
ハイフェッツは、膨らむ設計ではなく、ドーンという設計なので、今回の審査員(上海Q)好みではなかったようでした。

トーンの最高は、シルバーメダル for tone で、他はCertificate of Merit for toneという賞になります。
ヴァイオリンは、3丁がシルバーメダルで、Certificate of Merit for tone は6丁でした。
ゴールドメダルは、作り、音ともシルバー以上の場合になります。

今回は単体のヴァイオリン、ヴィオラではゴールドはありませんでした。


Toneジャッジの話しで、ペグが、動かない、ギコギコするのは 弾かない・・顎当てが真中についているのも弾かないと言っていました。
勿論弦が切れたら…・そこでお終い、交換はないだろう!

韓国人のチューホーリさんとも、お話が出来(日本語で)、別な視点なので、大変参考になりました。
イギリス人のGeorge Stoppaniさんとは、ヴァイオリンの話しではなく、彼は合気道をするので、私の剣道、居合の話しになり、腕をつかんだり つかまれたり、、
大柄で、彼は腕の力があった!

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ところで
私の結果は…・・・・・・・

3つのステージで、審査されます。

第1ラウンド・・・第2ラウンド・・・・メダルラウンド。

ヴァイオリンに限ると、195丁から、第2で58丁に、そしてメダルラウンドに9丁が、その3丁がシルバーメダルで、6丁がCertoficate of merit for tone
レベルは1から最高の7までで表され、 また、次ぎに進ませるかは、3人が、別々に意思表示し、最後のメダルラウンドで3人が相談して決めるそうです。

195丁⇒58丁⇒9丁

私は運良く、第2ラウンド58丁に進め  第2ラウンドではメダルラウンドへ進めるか?で、
eliminated(敗退・消去),undecided(未決定・決めかねる),passed to nex round(次ぎに進める) でそれぞれが、相談せずに、意思表示します。


undecided(未決定)が上海Qの2人で、もう1人Carol Sindellさんがpassed to medal round で、どちらか、もう一人がpassd to …にしてくれたら、メダルラウンドに行け、お土産頂け,たようです。

惜しくても結果、メダルラウンドに進めなかったのは、楽器が、万人向けではなかったためです。 数分間で、能力が分かる楽器でないと、判断しにくい訳です
次回は、普通のにしましょう! と反省!

(調査と分析)
トーンで入賞したヴァイオリンを試奏しましたが、シルバーメダルの一つは、かなりウルフが出ていましたが、それくらいに低音が鳴りました。
また、そして、かなり弾き込んでありました。すぐ音が軽く出る…・

ソロ楽器かどうかは、分かりませんが、直鳴る、特に低音が膨らむ、タイプが今回は良かったようです。
作り、音ともに、最後はジャッジの好みも入るのは当然と思います。

という事で、もう少しで大物が…・・と釣り人のように、大きいのを釣りそこなった!…・・と言いたいところですが、


ジャッジと楽器によるので、次回がどうかは、楽器とジャッジがうまく相性が良いと良い結果になるこも知れませんし、
まったく、第2Roundへ進めないかも知れません。
今回も、音が良いと思った楽器でも第2ラウンドに進めない楽器もありました。
審査基準は、良くわからない・・というのが率直な感想です。


一方・・・・・・
<食(alcohol)生活>
しかし、体重は3Kg増えました。

毎日の食生活は、
ビール、ビール、ワイン、ワイン、野菜ジュース、パン、ブロックのハム、生ハム、レタス、リンゴ…
ホテルの冷蔵庫は、自宅のように活用しました。

近所のスーパーの、フードコートで、食べた中華は、美味しかった! パスタは量が多い事、多いこと、近くを見渡すと、巨大な女性、男性が多いことに驚きましたが、量の多さを納得しました。

最終日のAward Banquetに参加した、食事を頂き、飲み、心地良くなった頃に、賞の表彰が・・・・なんとも 和やかな、聞いていた通りのお祭り的ない良い雰囲気でした。

食べかけて、気がつきパシャリ!
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デザートのチョコレートケーキ=量がやはり多い!無理です!
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Banquetの前のCash Barにて、音響学者で製作者の泊川氏と・・・・・(荒井氏撮影)
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ホテルのレストランでは、日本でも良く耳にするクラブケーキにマッシュポテトを添えたセットを頂きましたが・・・・・やはり量が多かった!

もう一つ驚いたのは、ホテルのベッドの高さ、写真ないですが、腰より高さがありました。
酔っていては、助走して飛び乗らないとベッドに上がれない。
落ちたら、痛いでは済みそうにない…・・
本当に助走して、ベッドに飛び込みました(笑い!)

さあ、製作にはげみましょう!
ストラドモデル(L'Arcobaleno)は、アンテキザートに変身しました。
by cremonakuga | 2008-11-24 19:34 | Trackback | Comments(0)