2015年 6月 19日更新
2016年2月29日追記
久我ヴァイオリン工房
ヴァイオリンの音を調節する時、弦をアレコレ交換する方法と
弦は変えずに、また魂柱を調整、交換する方法,
どちらも変えずに駒自体の形や高さを変えたり
・・・・いろいろありますが、
そうそう禁じ手の駒を動かす人もいました!
私は、ヴァイオリン作りなので、良かれと思う駒を作り、
魂柱をセットします。
そうしますと 調整で魂柱を動かす事は、あまり好きではありません。
新作が出来た時は、魂柱の長さの交換はしますが、位置は定置に固定します。
多少の前後左右(1mm以内)はありますが、病的に、何度も何度も動かす事はしません。
そいう中で弦は、いろいろな選択肢があります。
今回は、
一般的に良く使われているエヴァピラッチについて・・・
インフェルドREDと同じようにGが若干強めになっている様です。
私がエヴァを使う時は、エヴァのE線は、0.27かウエストミンスター0.275を好みます。
そこで、Eは、普通のエヴァかほかの弦を使い、
A線をエヴァではなくオブリガードを使う方法。
写真のヴァイオリンはE線はピラストロゴールドで、あまり強くはない弦です。
しかしバランス良く鳴ります。
Gばかり主張することもなく、
ヴァイオリンによって違いますが、エヴァの弦でAのみオブリガードに試すとどうか?
余った弦がありましたら是非試してみてください。
張ってから1週間くらいは我慢して馴染むとどうか???
音質が繋がらない事もありそうですが・・・
オブリガードAは弦が太く、少し強めの弦になります。
GとAが少し強めになりバランスが取れそうです。 Eも強くすると全体ではどうか?
今度試してみますね!
良さそうな気がしますが・・・・・・
以前何度も書きました・・・・
E・・・ピラストロゴールド
A&D・・・インフェルドRED
G・・・ドミナント(ノーマル)
も同じような考えです。
2016年追記・・・最近友人の演奏家の先生に 弦の提案をしました。 先生は若い時からオイストラフの演奏が好きだったそうで・・・その件について調べた事を提案しました。
それは
オイストラフさんは、E線とA線にPrimを使いDとGにオイドクサを使っていたそうで、A線はスチールという事になります。普通考えるとプレーンガットでは?と思いますが、さっそく取り寄せを試みますがA線が品薄、楽器店でも今はマイナーでほとんど扱い無し、取り寄せし、A線専用アジャスターも送った。
実はオイストラフはA線もアジャスターを使用していた。今はあまり使われていないヒルタイプのボールエンド対応のA線版だった。
なかなか売っておらず、自分の古い箱から1個発見した。新しく売れれている物も購入した。オイストラフの写真からは箱から出てきた物に似ている、下部は四角く見える!新しいものはそうではない。
当時は、沢山種類が有ったのだろう・・・
箱から発見したドイツ製の物の方が品質が良く格好良い! 右は新品。 オイストラフのはこの四角い台座らしくが見える。息子も使っている、弟子のクレーメルも使っているようです、今はどうか???
ちなみにこのアジャスターですと、ボールエンドのスチール弦のボール位置は3mm~上がるようで、ヴァオリンに優しくなる=圧も変わり、音質も変わる。
その事を読み解くと・・・・
スチールのA線のテールピースでの位置が上がり、駒での弦の角度が緩くなる。つまり駒への圧が軽減される。古いストラドでは、きっとありがたいだろう??
また、オールドヴァイオリンであるストラドの方が、はっきりした音の弦のケバケバが取れ、品が出せるのだろう???なぜなら、Primの弦は、クラッシックよりほかの分野で使われるようだ!
一般的な新作では、クラッシックには向かない音質になるのだろう・・・
低音はガット弦で、柔らかく、高音はシャープに ストラドだから生きるのだろう!?
きっと・・・・
※この弦の組み合わせを、2015年製ストラディヴァリモデル(1715年)で試した。関西弦楽器製作者協会展示会での試奏では、本物のストラディヴァリと同じ配分の厚さのヴァイオリンでは、私は素晴らしい音に聞こえました。試奏後には 何人かのお客さんが「良かった!」と声をかけて頂きました。
ただ、やはり弾く人を選ぶ楽器でもあり弾き方でぜんぜん出る音が違うので、本物のストラディヴァリを弾くような弾き方でないとせっかくの音が出せない・・・
その弾き方は、大きなストロークで、軽ろやかに、押し付けず、しかししっかり弦をとらえ、弦を鳴らすように弾く事。ビブラートは大き目でオイストラフのように弾くと驚くように美しい音が聴ける。
普通の厚さのヴァイオリンでは、どうなのか?分かりません・・・