ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)

久我ヴァイオリン工房

ヴァイオリンの顎当てについて・・・・
良くグァルネリ型とかストラド型とか言いますが
実際どうなのだろうか????
その前に、楽器の構造の違いも影響大ですので その辺を理解しておく必要があります。顎当てが押さえる部分は、主に表板と内部のブロック材です。
顎当てのコルク部分が押さえる右側は主に髙音に影響します。そこが薄めの楽器では強く広範囲で押さえると音量・音質に影響します。左側は主に低音に影響します。テールピース脇は内部にブロックがあります。どちらもあまり強く押さえると影響します。写真の様な顎当てでは、高音を押さえない代わりに低音を押さえます。顎当てを含む振動により音質が出来ます。良い場合と、そうでない場合があり 試す必要があります。高音は押さえた方が良い場合と押さえない方が良い場合があり、押さえた方が良い場合でも強すぎない方が良いのですが(勿論外れない程度)としっかり押さえた方が良い場合とあります。やはり試す必要があります。


ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16082425.jpg

一般的なブロックは幅15mmくらい奥行き15前後で形状はマチマチで写真の様なものから三日月型で両端が薄い形状などなど・・・また左右の長さが異なる変え上から・・・
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16285026.jpg

ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22354726.jpg

ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_2236117.jpg

実はこれ、本物か、本物の近い性格の楽器を設定しています。
しかし、形はストラドモデルでも低音が特徴の晩年のような楽器だったり
同じ晩年タイプでも構造が違う場合や 必ずしも同じではないようです。
グァルネリモデルでも高音が際立つ楽器だったり
同じ年代のストラドでも構造は総て同じで無いのがヴァイオリン・・・
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16041508.jpg



ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22363261.jpg

テールピースをまたぐ顎当てでは、トレブル側の押さえ部分の面積が広いか?狭いか?
顎当ての上の部分・トレブル側の質量が多いか、少ないか 材質が硬いか、柔らかいか?
で その楽器の高音を良く引き出すか、止めるか影響します。
総てではありませんが、あまり質量が多くなく、押さえる部分が広くない=押さえない
ほうが 高音を生かすストラドには向くと考えます。
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16004725.jpg


ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22365748.jpg

全体に薄い板、軽い箱では、あまりごっつくない方が向くようです。

比較的厚めしっかりしたグァルネリには、質量が ストラド型より多く、しっかり押さえるグアルネリ型の方が向くようです。
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16003607.jpg


ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22371892.jpg

それぞれの楽器の性格で決まるので、試すしかないでしょう!
作った本人には良くわかりますが・・・・・

ほんもののストラドにグァルネリ型が合う場合の有るでしょうし、グァルネリにストラド型が合うケースも当然有るでしょう!
写真はの程・・・
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22373279.jpg
ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22374122.jpg


つまり楽器がストラドタイプかガルネリタイプか?で顎当てをストラド、ガルネリタイプを選ぶのは
単純に、気分の問題になりそうです。なぜなら、市販の楽器は、内部までストラドかガルネリか・・・のように出来ていない、音響とは関係が無いに等しい。
音響的に選ぶなら・・・・
固有の楽器に試し、高音がどうか?低音がどうか?で選ぶ方が正しいと言える。
ストラドでも、まったく違うので、必ずしも こうだ!とは言えない。
ガルネリも同じ事が言える。
顎の部分のみ固定する片方のタイプは、低音に関係する部位を固定する事になります。
高音を押さえない事と、低音に関係する表、裏板、横板を押さえる事で、軽い低音を重厚にします。
それが、効果的か?それともマイナスか? これも楽器で違います。今セットしている顎当てで、高音が足りなければ、高音サイドを押さえる部分の少ない物で試してみてはどうでしょうか?
低音が足りなければ、ガルネリ型が効果が上がるかもしれません。
楽器を観察し、予想をたて試すのが的確ではないだろうか???
そもそも、バロック時代は顎当ては無かったのですから・・・・・

ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22375373.jpg

ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_2238225.jpg


ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_16005903.jpg


ヴァイオリン顎当てはストラド型それともグァルネリ型?について(※追記2023、01,17)_d0040395_22382362.jpg


あまりきつく締めすぎず、さりとて横板が曲らないようにしっかり締める、
柘植材では材質は、きめ細かくかつ、しっとりした硬さ、産地により乾燥したものや、処理でカラカラで硬い材質は、良く鳴るが、音質が雑な気がします。
コルクの厚さは、上部は
1.5mmくらいが適当のようです。(1mmでは薄い、2mmでは厚い気がしますが1.5mmがなかなか市販されていません。)Cremonakugaでは入手可能な時多数用意しておきます。
足のは1mmくらいが良さそうです。

コルクも密度で音質が変わります。
こういう事に、あまり神経を使いたくないのが本音ですが・・・・
なるべく良い音を再現したいと思うのがヴァイオリンファンとそれを作る人、関わる人・・・・

by cremonakuga | 2015-03-10 15:29 | ♪♪ Vnの音と付属品 | Trackback | Comments(0)
<< 友人と再会した! 第7回 関西弦楽器製作者協会展示会 >>