ヴァイオリン・・ストラディヴァリウス・・・新しい形を作る

久我ヴァイオリン工房

新しいヴァイオリンは、ストラディヴァリウスの普通サイズのヴァイオリン。
昔懐かしい工作用の方眼紙の厚紙で作ってみました。方眼紙の意味はないのですが・・・

    “forma-P”

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自然乾燥させて反りを出させていたクルミの板を使います。何枚かは少し反ってきています。その1枚を使います。
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今までは、主に少し大き目のを作っていました。



PG・・・・・prinma grande(プリマグランデ)
この型・・formaはjune ,4,1689年に作られたとされる型で

1716Messieなどが推定される


型自体にサイズは
大きさ・・・344.5mm
アッパー・・・161mm
ミドル・・・102mm
ロアー・・・200mm
厚さ・・・14mm





G・・・・・Grande(グランデ)1708年に作られた。

1414 Soil 、1716 Colossus、 1715Cremoneseなどが推定される


 大きさ・・・  347mm
アッパー・・・161mm
ミドル・・・103mm
ロアー・・・201mm
厚さ・・・14.5mm






P・・・・february 25,1705年に作られた型とされる。
1716Cessole, 1715 Emperorなどが推定される

大きさ・・・343.5mm
アッパー・・・161mm
ミドル・・・102mm
ロアー・・・200mm
厚さ・・・13mm

(data from "The Violin Forms of Antonio Stradivari by Stewart Pollens")




型は、ほぼ原寸ですが、レンズの収差で、少し歪みから寸法を修正し、実寸でカットします。
これにより、クルミ材で型を作ります。

最初に作りたいヴァイオリンがあって、それから型を落とすのではなく、型かた=中から作り上げるということです。
それは、必ずしも同じPから作っても、同じアウトラインには出来ません。型から作ると、ボルド(板の淵)の横板からの出る寸法も、2mmとか2.5mmとか一定にはなりません。一定にすることも出来ますが、完成アウトラインをイメージしながら作ると、微妙に変化する様子を実感します。それは、多分ストラディヴァリ先生も同じで、そこは感性で、調節しながら作りあげなければならない事になります。製作手順としては、慣れない人には面倒かも知れませんが、私にはとても勉強になります。
アウトラインに合わせ、一定の寸法で型を作れば、効率的に作業出来ます。結果は想定するアウトラインに仕上がります。一般的には、左右対称なラインで作り、ニスも一点のキズもなく作れば・・非の打ちどころが無い作品が可能です。

ヴァイオリンを初めて作り始めたころは、当然いかに、左右対称に、一点のキズも残さずに、刷毛跡などもってのほか・・・これだけ出来ました!という気持ちで製作してきました。
しかし、そういう楽器が、ふつうで、世界には、そういう技術の製作が、当たりまえです。またアンティークにする技術も完成されています。
そういう時、本物を見ると、そこにはストラディヴァリが居ます。つまり、私がいくらストラディヴァリモデルを真似て作っても、どう自分を消しても、そこのは私の存在が有ります。それを大切に作ることに力を入れるのだと最近は思っています。

しかし、何が違うか? 考えながら、感性を研ぎ澄ませながら作る事で、左右対称にしようとしながら・・・しかしそうはなかなか出来ず、微妙な変化が生じ、味・・・人間味・・・個性が出てきます。ニスも、完全に磨かない方が美しく感じます。すこし、余地を残し、ピカピカしていながら刷毛の痕が残り、自然なキズ痕も少し有ったりする不完全な美しさ!・・・道具としての強度、寸法、の基準は維持しつつ、昔ながらの手法で作る・・・製作者が、手放したくなくなる作品を創る。
そういう事が楽器には大切ではと・・・今考えます。
自分の場合は、楽器という道具を作るというより・・・・良い音の出せるアート作品を創るような気持ちで作っています。

面倒な事を、面倒と感じず、アナログな面を増やす事こそが、量産品とは違うまさに手作りという事だと思います。
by cremonakuga | 2014-12-01 14:25 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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