ヴァイオリンの板の重さは・・・(※2015,1,24誤字修正!)

久我ヴァイオリン工房


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新作ヴァイオリンの表板の裏側を削る作業は・・・・
・・・いっきに削らず、急がず、休み休み目標の厚さを
神経を集中出来る時間は、歳とともに、年々短くなる。

ひたすら・・・・目指します。
響きを確認しながら、

時々重さを量りながら・・

今まだオール3mm
上下のブロック付近は手付かず
その重さは、74g
M-5  E
M-2  D
M-1  E

しかし、近年 私は・・・M-5だのM-2だの M-1だのの基準は、あまり重要には考えていません。
ただ、実際のストラディヴァリが、どこいら辺か?という事実が有るので、その範囲に入るようにしています。
ストラディヴァリのように、ストラディヴァリが使ったであろう木を使い作ると あまり考えなくてもその範囲に収まる。

よく FとかF#とか言われていますが、必ずしもそうでなくても問題は無いようです。
それにとらわれると思った場所を削れなくなってしまいます。
ここを削ると、M-5が落ちる・・M-2が離れる・・・

それより、意図した厚さ配分を描くことの方が大切で
・・・・その結果 M-5、M-2、M-1のバランスが、少しくらいずれていても、おおまか範囲に入っていれば結果は悪くはならないのです。

良く出来た板は、M-5、M-2は、絶対にオクターヴにはならない。


この時の作業は、いろいろな事が脳裏に浮かびます。

実物のストラドの年輪との差をどうするか?

この時実物のストラディヴァリウスがどういう状況かを考え、作業している板の厚さを修正しながら進みます。

例えば、左右で厚さが違う場合、
それも重要でない場所では、意図が読みにくく難しいです。
重要な場所は、意図が読めるので、どするか明確です。
右が年輪が細かく 2.4mm
左が年輪が広く  2.6mm

こういうのが一番困ります!
多分同じくらいの強さになる可能性がります。
そういう時は、その周辺の厚さがどうか?また、その年輪の直線上の左右を検証します。
この事が、とても重要です。どちらが強いかどうか?

また、同じ厚さで、
右が年輪が広く  2.4mm
左が年輪が狭く 2.4mm
だったら・・・・
製作中の板が、同じ年輪幅だったら???
 年輪の差によって差を付けますが
右は、   2.35mm
左は     2.45mm

こんな風に読み替えしながら厚さを作りますから、時間がかかります♪

・・・・・・・が音色の命とも言えるからです。

ただ予定の厚さを出すのではないので同じモデルの楽器でも個々に違います。


考えながら仕事をします。楽しくもあり、苦労もあり、一番時間がかかる作業です。


実際のストラディヴァリウスと会話しながら作る・・・・
まさに、音を作る作業と言えましょう。


※板の重さについて追記・・・・
ストラディヴァリウスモデルに関しては・・・
強く軽い年輪の端が幅広めな(2mm)中心(1mm位)表板アベーテマスキオでは、バスバーが付いて、55g前後に仕上がります。
年輪が極狭い(中心0.5mm、端1.5mm)アベーテロッソでは重くても65g以内

裏板では、良く乾いた良質な楓、虎杢が細かく深く削るとボロっと砕けそうになります  そんな楓では85gくらいに仕上がります。
重くても普通の110g以内
こんなに差が有ります。

重さ有りきではなく、タップしたときの音によります。
性能が悪い木であれば 重くなってしまいます。
それは、乾燥しているか?いないか?以前に年輪の黒い部分の太さ、白い部分の組成、黒い部分に染み込む松脂の質、などなど生育した土地により違う。
軽いから良いか? そうでもない 軽くて強くないといけません。

ただ、良く鳴れば良いか?
そうでもありません・・・音質に現れます。
それは、音の品に関係します。
魂柱1本も、日本産ノ檜を使うと 大きな音で良く鳴ることがあります。
その音で 喜ぶとしたら・・・・
檜のヴァイオリンを作るとか、まったく別な木材で、作るとか・・ニスに漆塗るとか、ウレタンニスを塗るとか(ウレタンが良い悪いではなく)
魂柱一本で、なにか違和感を感じます。
もし感じなかったなら、ストラディヴァリウスのようなヴァイオリンを目指し作るのは やめた方は良いのではと思う。

イタリアから広がったヴァイオリンの本来の音質ではなくなります。
カナダでもアメリカでも、性能が良い木材は有ります。
音響的に良い材料で、上手に作った場合、良く鳴るヴァイオリンが作れます・・・が・・・
そういうヴァイオリンに、強い最新の弦で、パワーのある、素晴らしいヴァイオリンが作れると思います。大きなホールでも、後ろの席まで、しっかり音が届くヴァイオリンが・・・
はたして、何を求めるのか??
進化した未来の新しい音質の音量のヴァイオリンでしょうか???
個人的には、生の音が分かる広さで聞くのが贅沢で、その空間で素晴らしい音質=バロックが再現可能な音質が重要と思います。
好き好きですので、いろんな好みがあって良いと思います。

私はヴァイオリンは音響的に最高の材料か、出来る限り良いと思う材料で作るのでなければ 作らないほうが良いくらいに考えています。

ちなみに、最近製作した 私のストラディヴァリモデルですが、
ヴァイオリンA・・・柘植のアクセサリーセットで 428g
ヴァイオリンB・・・同じような柘植アクセサリーで・・447g その顎当てをアレキサンダーに替えたら、471g

顎当無では・・・・
ストラディヴァリウスの重さ
顎当て無で、約375~395g 平均 約385g±アルファー
グァルネリデルジェズの重さ
約400g弱±25g

  
by cremonakuga | 2014-09-01 18:53 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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