ヴァイオリン駒を調整する・・・ご自分でNo2
久我ヴァイオリン工房 Caffe o Te? ブログの検索のトップは・・・・ ”ヴァイオリン駒を調整する・・・ご自分で” ・・・が、毎日人気トップになっています。 追加したい事項があっても、文字数が満杯でできず、 そこでNo2を追記します。 以前も述べましたが、オールドヴァイオリンにありがちな特徴と問題点を G線が鳴らない・・・・G線がクリアーでない・・・ 強く鳴らない・・・・ 駒足の接地面の表板が、凹んでいるオールドヴァイオリンが良くあります。 つまり、低音側の足が沈んでいるヴァイオリン・・・ ・・・足が沈んでいるだけなので、Topの高さ、形状は、指板に合わせ、 弦高が、適正に決まりますから、演奏には問題がありません。 駒足が凹んだヴァイオリンは、特に低音側は、直下にバスバーが走る。 駒端から1mm内側に幅6mm前後のバスバーが・・・・ 大体、バスバーの内側方向へ 表板が凹む・・ 1mm以上凹むものも見かける。 どういう事が起こるか??? 駒の低音側の高さが見かけ上高くなる(実際は凹んでいるので、高くはなく、その分質量と足までの距離が増え、音が丸くなる、テンションも同じです) 見かけの高さが増えるだけです。 まず、駒は、適正な高音低音の高さのバランスがあり、どちらかが高すぎたり低すぎたりし、 許容範囲を超えると、音に良くないことは誰にでもわかります。 このような事は、ご自分で解決は出来ないので、仕方がないですが、理由を知ることは、大切です。 直してもらうにも、大変な事になりますが・・・・・ ①その方法・・・駒の形、内部の削り方で、改善させる方法。 ②その方法・・・・ 指板のG側、E側の高さを、G側を低くします。 通常E側を0.5mm低くします(私は致しませんが) それをG側を低くします。 つまり、駒を正しいプロポーションで立てられる環境を作ります。 その結果、低音の張力が不足するので、G線に強い弦を張り、 全体のバランスをと整える。 結果、駒の悪影響が少なく、音質が向上し、Gは、丸みが減り、クリアー差が増えます。 デメリット・・・弓の角度が変わるので、人により弾きにくく感じることもあります。 ③その方法・・・ 表板を剥がし、バスバーを外し、表板のアーチを直し、欠損を直し、 完全に直す方法。 これは大変で、石膏で型とり、正しい面を削り、それに沿うように 時間をかけて元に戻す・・・ とんでもない費用と時間を要します。 つまり、買う前に、こういう楽器を知っておく事も大切です。 ・・・駒の形を見て、低音側が極端に高い駒は足元も良く見ることが大切です。 低音が鳴らない楽器は, G線に強いテンションの弦を 張っている場合が多いようです。 それでも、弱い弦で良く鳴り、音質も問題なけでば、それはそれで問題は無いかもしれません。 新作のオールド風のヴァイオリンで、最初から、表板の中央をへこませてあったり、駒の足の部分をへこませてある、ヴァイオリンを見かけますが、私は、そこは、忠実に真似をするのは、いかがかなあ?と思います。 劣化をわざわざ真似るのは、音の劣化も真似ることになるかも知れません??? デメリット・・・音質が良くも悪くも大きく変化します。健康な音になることは確かでも 味わいがなくなるかもしれません。 特に、バスバーの材質、形状でも、人により音質は変化します。 大きなリスクが伴います。 何れにしても、大なり小なり、修理調整が必要になり、心配ですね! しかし、原因の一因を知っていれば、対処法もあります♪ ※ストラディヴァリウスのセッティングを、ご紹介します。 現在のストラドは、それぞれ違いはあるものの・・ 大体決まっています。 駒の高さ・・・~33.5mmくらいまで 指板の延長線の駒への位置(プロジェクション)・・・27mm)(26mm~27mm) 指板の黒檀のネック脇での表板の端とパーフリングの間の一番高い山からの高さ、 ・・・・6.0mm前後 指板の駒より先端上部の表板からの高さ・・・~19mm 1715年前後のストラドのデータより 上手なイラストです! ※ 駒を作る時の、調整の仕方 失敗せず当たり外れがなく、まあまあ良い駒を作る方法・・・・ ①楽器に駒を合わせる・・・現行の駒が適切か確認する。 楽器のF字孔バスサイドの刻み=駒の中心あたりから、駒足内部のバスバーまでの距離を測る。 名刺などに印を付け差し込み計る。 その数値が現行の駒の足端から1mmであれば、現行の駒のサイズで良い。 バスバーが駒の足の端から1mm(~1.5mm)直下にあるか?を確認します。もし端と丁度でしたら、下現行の駒より2mm幅が大きな駒にします。 もし、端から2mm入っていたら、2mm幅が狭い駒にします。 微妙でしたら、既製の大き目の駒を削ります。 ②既製の駒を大雑把に大きめにカットします。現行の駒を当て、上部をそれより2mm大きく、の足の厚さを4.7mmに、通常カンナや、ナイフ、ノ平ノミで行いますが、280番くらいのペーパーに当てても出来ます。 その際、内側のハートば欠けることを避けるため、ハート部を良く切れるナイフでほんの少し薄くします。 280番は、よゆっくりします。上部は、最初4mmくらいに全面、背面を平らにします。次に、ヴァオリンの駒上にペーパーを載せ、駒の足を正確に、背面が直角になるよう・・その位置を前後に平行移動し、すり合わせ、面を合わせます、その時ペーパーの裏面に砂が付かないようにキズが付かないように・・・大体合ったら、ペーパーを外し、後は、足面を良く切れる、平ノミ、あるいはナイフで、少しずつ丁寧に当たる部分を削りながら隙間なく合わせます。 もう一つの方法は、ペーパーを使わず、面に駒を当て、小さな鉛筆を曲面に当て、駒面にヴァイオリンのカーブを前、後ともトレースします。それに沿って削りながら面に隙間なく合わせます。 これが一番面倒で、神経を使います。 面有ったら、高さを、1mm高く余裕に上部を修正します。下部の厚さを4.5mmに、上部を3mmに、 ぺーパーを次に400番、800番と細かいペーパーで、面を仕上げます。最後は1500番以上で仕上げます。 ヴァイオリンの裏板の下部中心をつめにタップし、駒の下部のタップと比較し、まだ駒が音程が高い事を確認します。 駒の上部タップ音と表板下部テールピース脇から下をツメでタップし、駒の方が高い事を確認します。 そこから、駒首幅を、どちらも4.3mmにします。絶えず楽器ボディーとの音程を確認しながら行います。 背面をなだらかなアールになるようにします。差は、上下1mmくらい。足からハートの下までで0.5mmくらい、ハート下から尖端へ0.5mmくらいの差で 上から見て、先端の3mmのラインが直線になるように、背面の中心から両先へ修正します 駒の端先は、裏は直線に、表面は方法①直線 方法②足上膝上の1辺まで直線。 駒の形状の作り方で音量、音質が全然違います。駒を作りセットする人の好み=音感に左右されます。 その人が良いと思う方に向きます。 低音が好きな人、太い音が好きな人は、厚めになります。高音など全体に繊細にシャープに際立たせたい人は、薄めになります。偏見かも知れませんが・・・ 駒は、適切なサイズ、形に仕上げながら、全体にはトップは、両端を爪でタップし同じにします。 高い音程の場所は、その下の腹を削り、弦の場所も同じようにし、全体を整えます。 ただし、楽器の特性により、必ずしも合わせる必要はなく、高音、低音を好みにしながら決めます。 その時下部の中央や、足を持ち行う。 下部は、両足をタップし、整える。中央下部は、裏を意識しながら削ります。 駒のウエストは、楽器により違いましが、なにもせず16mm~17mmが良い場合のあり、また15mmを切ったほうが良い場合もあります。 ハートとループの間隔も5mm~6mmで、それ以下が良い場合もあり、ケースバイケースです。 そうした作業をしながら、裏板と表板に合わせながらフィニッシュします。 ピタリと合わせる一歩手前で終わるのが良いと思います。 本当に楽器に合った、良い音を求める時、何枚かの駒を試す必要がでるでしょう・・・一回でOkとは、なかなかならないでしょう。 私もそうだからです。 普通の楽器であれば、最終的に 駒トップで1.38mm(1.4mmは切る厚さ) ※1.2mmが基準とも言われています。1.2mmもOKです。 駒足厚さ4.3mm(4.0mm~4.5mm) 駒足首幅 例バスを鳴らしたい場合は・・ Tre:Bass 4.2mm:4.0mm 4.0mm:3.8mm 3.8mm:3.6mm 逆に高音に変化を付けたい場合 楽器によっては、 Tre:Bass 4mm:4.2mm 3.8mm:4.0mm 3.5mm:3.8mm もちろんどちらも 3.5mm(一般的な基準)~4.2mmでも良いので 3.5mmはデリケートな音質~4.5mmは荒っぽく生な音に近くなります。 一度、どれだけ違うか試すと良く理解できると思います。 魂柱同様、駒で楽器がまったく変わってしまいます。 下部中央は、4.1mm(4.0mm前後) 中央ハート下3.6mm前後 ハート上 2.5mm前後(2.1mm~2.6mm) の範囲になるでしょう。 この場合は、振動数で質量を量ります。 厚いと音程は高くなり、薄いと低くなります。 表面 あるストラディヴァリウスにセットされていた駒は(アメリカの今は亡き著名な製作者の仕事でした)・・・・・ この厚さではA線の音がビビリ易くなるので駒皮を貼る必要性がある。この駒にもEとAに駒皮が貼られてあった。 a 1.33 b 2.33 c 3.61 e 4.05 f 4.38 A 4.13 B 4.05 ※C 未計測? ※2021、05、09訂正、部位番号4を誤って4mmと記載ミリしました。すみません!5.6mm前後が妥当 ※D 未計測? ※2021、05、09訂正、部位番号5を謝って5mmと記載しましたすみません! 5.6mm前後が妥当 E 15.1 弦の間隔は34.6であった。 同じストラディヴァリでも当然個々で異なります。 またほかの有名なストラディヴァリでは、駒足の厚さは4mmでした。 ※2017年現在の駒は、 ウエスト15、5mm~16.3mm ハートからループまでの幅、5.5mmくらいで、5.0mmは切らないようにしています。(5mm切っても良い場合もあります) Top厚さ1.35mm前後、中心最下部、4.0mm~4.1mmくらい 足厚さ、4.3mmくらい、足首、4.0mm~4.2mm(場合によっては3.8mm) ウエスト15.5mmと16.3mmでは、15.5mmは音質が和らぐ気がします。 16.3mmははっきりしたここと良い音のような気がします。 中のループをどう削るか、ウエストを細くするか?どうするか?質量が減ると、確かに音質はクリアー度を増します、薄いと、音質がシャープになります、しかし弦の圧力に負けると、駒が反ったり、反らなくても、圧力に負け、振動を元気に伝えられず、鳴らなくなり、悪い音になります。駒も、弦の圧力に負けない事が、第一の条件になります。駒で音を良くしようとするより、楽器を良く作る事が大切で、駒はプラスアルファーです。 裏面 結局 ご自分で行うのは、楽器にキズを付けるなどのリスクもあります。必ずしも良い結果になるとも限りません・・・こんなことも有ると知っていて損はないので、程度にしておいた方が良いのではと思います。 ご参考になればと思います。 追記・・・・ 駒の両サイドの角を、落とします。ナイフかヤスリでしますが、大きく落としますと、音質が滑らかになります。 ジーというような音が減ります。私は、そのほうが好きなので、あまり落としません。お好みです。 駒のトップも角を残スト、ジーっという音質が強くなります。丸くすると滑らかになると思います。 シャープな音質が得たいなら、角を残し、角の直下を膨らませないで余分を省くと音質がシャープになります。 暖かい滑らかな音質では、サイドの角を大きく落としトップは丸くすると良いと思います。 ハートとループを間隔を狭くすると、音質がクリアーになりシビレますが、離れて聞くと、どうか?確認が必要です。意外と丸くなってしまうこともあります。一般的には5mm~6mmですが、5mmを切ることも可能です。 ループとループの間は、15.5mm前後ですが、楽器によって大きく異なります。15mmを切るくらいが良い場合もあれば、17mmが良い場合もあり、楽器に合わせる必要があります。 足首の幅は3.5mmと良く言われますが、5mmくらいから少しずつ削ると、音質が複雑で緻密で繊細な音質に、芯が出る様になってきます。この音も耳で聞く音質と、離れて聞く音質が違いますので、一度試してみると良いと思います。意外と離れるとその良さは聞こえない場合もあります。私の場合は、最近はE側で4.2mmG側で4.0mmにしています。ウエストの幅は、15mmを切る場合や、17.5mmの場合など総て異なります。そのため、一丁のヴァイオリンで完成までに少なくとも3個くらい作り替えます。 駒のTopの厚さは、音質に極めて大きく関係します。好みと言ってしまえば それまでの事ですが、駒の先端の厚さは、1.7mmくらい厚いと、弦が乗る部分が大きく、調弦で弦がスムーズに動き易く、駒が前に傾きにくく、反りにくく寿命も長く、長持ちします。楽器にも依りますが、音質を犠牲にしているかもしれません。 1.2mmとか1.35mmでは、調弦で駒も前に持っていかれて傾く可能性が高くなり、小まめに直す必要があります。本来駒は、丈夫で長持ちではなく、良い音を出すために最善にしたい、寿命がきたら新しい駒に交換するのが良いと思います。 ヴァイオリンでTOPの厚さが1.7mmくらいになっている駒をたびたび見ます。古い材質の駒の場合、確かに音質や、反応が良いのですが、そういう材質で1.7mmとかで、全体に厚めに作られていると、確かに長持ちしますが、やはり高音、低音の繊細さが失われる感があります。そういう厚さでは背面を垂直、平面に出来ます。その点は音質に良いのですが、全体の質量が多過ぎてやはり本来の音質に影響します。背面を少しラウンドさせ反りにくくしてもTopの厚さは、1.4mm以内の収めたほうが良いと思います。どんな駒でも下部の厚さは5mmでは厚く、4.2~4.5mm以内に収まりそうで、中央下部は、4mm~4.3mm以内になりそうです。 その範囲で、大方のヴァイオリンと調子は合わせられるようです。 アマチュアでもプロでも関係なく、音重視で駒は、シビアーに考えてほしいと思います。 しかし、結局最終的には好みになります。 自分が気持ち良いか? どういう音にしたいのか? 聴く人が気持ち良いか? その点と楽器との関係から どうするか?許容範囲の中から決まります。職人であれば 駒を加工する人の感性 音感によってしまいます。 ※前の追加資料 ヴァイオリン駒を自分で調整する No1 ヴァイオリン駒の高さ 弦高を自分でチェック Cremonakuga violino HPヘ
by cremonakuga
| 2014-08-12 20:52
| ♪♪ Vnの音と付属品
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