ヴァイオリンのニス 自然なアンティークな仕上がりを得る・・[アルコールニス編]

久我ヴァイオリン工房

Cremonakuga violino

自然な光沢のアンティークな仕上がりのアルコールニス仕様・・・は???
私の場合は、アルコールニスの場合は
大きな刷毛跡の山は、良く研いだスクレーパーで注意しながら 極軽く当て削ります。
ニスの層が厚い場合は、最初800番~1000番で極軽く
(こまかなキズは付きますが深いキズが入らないように注意、かつ大きなデコボコを無くす)
1500番で 軽く、オイルで
(表面を均一になるように、ここでも深いキズが入らないように)
2400番 オイルで
(細かなキズを消します)
3200番 オイルで
(更に細かなキズを消します)
コンパウンドをオリーヴオイル、柔らかい布で
(ぺーぺーの石やゴミが無いように注意します。少しでも、カリっと何か違和感があったら、一旦中止し、
綺麗に拭いて、滑らかにスムーズな状態で磨きます)
ペーパー作業は、その前に粗い砂が残っていると、カリツ、ガリッ、違和感があり、即中止し綺麗に拭いて再会します。そのままガリガリは大きなキズになり、無駄なやり直しになりますので指の感覚、耳で神経を研ぎ澄ましながら磨きます。

アルコールニスでは、水で磨く 水研ぎも出来ます。研ぎカズがたまって固まり易いので、注意。
友人は石鹸水が良いとの事です。

オイルニスの場合は、大体1000番くらいから始めます。
ニスの種類が違うので、いろいろ試すのが良いと感じます。
ぺーぺーは、しっかり折れば、そのまま使えます。ちぎったほうが、ハサミより、端、角は優しいので無駄なキズの心配が少ない。両面テープや接着剤でペーパーを張り付けるのも使い易いです。コルク板に張るのも試したい!

ニスが薄いのに、磨き過ぎると木地が出てしまい、大きな時間を必要にします。
ニスを磨いたら、油分が残らないように、石鹸水で、水で拭き完全に油分を除去し、次のニスを塗ります、油分が残ると、磨きで最上部のニスが取れた時、次のニスの境が現れます。

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久我ヴァイオリン工房では、いにしえのクレモナニスと同じ成分のニスを、手作りし、施していますが、
現代クレモナの一般的なニス、アルコールニスが多いのですが、当然使い分けをしています。
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なぜなら、300年前の製法、成分より、現代のニスのほうが丈夫で、扱いやすいので、ニスが取れるのを嫌うとか、汗が心配とか・・・・

では音はどうか??デリケートですが、音質が微妙に違います。
アルコールニスの成分、オイルニスの成分、・・・とニスの厚さなどから、
300年前のクレモナニスは、脆く、剥げ易いが、一方で、もともとの成分の松脂自体が音の伝達に優れている点など、メリットもある。
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しかし、アルコールニス、でも 一般的なオイルニスでも、厚さを薄く塗れば、音質は、あまり気になりません。

私は、実験などでは、アルコールニスも良く使います。
その時の、使い方を、少しご紹介します。
色素は、あえて市販の色素を使った方法で・・・
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この片面の少しのアルコールを付けます。
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折り畳み、間接的に、少しのアルコールを転写します。たっぷりの方が付かないように注意!
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拭きます
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表面のニスを溶かします。全体に まんべんなく速やかに・・・
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全体でこんな感じでニスの表面を溶かし、取ります。
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※布にたっぷり染み込ませ、表面を一気に、拭くという大胆な方法もありますが、それは、難しいですが、時々行いますが、たっぷり染み込んでいないと、表面に布がくっつき、止まってしまい、とんでもない仕事を増やすことになります。うまく行った場所の隣をすぐに拭くと、先に拭いた部分に、足をとられ、失敗します。一瞬間を置き、拭きます。その時おおちゃくし、アルコールを再度含ませないと、途中でブレーキがかかり、ひっかり失敗します。
という訳で、おすすめしません。磨いたペーパーのかすかなキズの表面を溶かし、滑らかにし、再度磨くとか・・いろいろ組み合わせることも出来ます。どうでも良いヴァイオリンがあれば、失敗し試し、慣れると、怖くなくなります。余談でした。

趣味で、ヴァイオリンを作られる方など、参考にされると、ワンランクアップ??の仕上がりになるのではと思います。
うまく行けばですが!

一般的なニスの仕上げは、ムラなく、ピカピカの鏡面のような仕上げが、綺麗なニスと仕上げと言われているようですが、勿論、そういう仕上げも出来る事が、基本的な技術の前提になりますが、
刷毛跡も気にせず、完全な鏡面でなく、しっとりとした、滑らか感じがある仕上げ、家具のような仕上がりにならないような・・・

そんな仕上げ、私の最近の方法ですが・・・ご紹介します。

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用意するもの、

1、無水エタノール
2、水ペーパー#500、#800、#1000 ♯1500
3、両面テープ
4、ハサミ
5、オリーブオイル(研磨用・ミシンオイルや、水、石鹸水など他も可)
6、ティッシュペーパー
7、木綿の布(Tシャツのようなものベスト)
7、アルコールニス 色素(赤、緑、黄色ほか)
8、マチ針

一般的なペーパーの方法ですが・・・・ぺーパーは、昔習った方法ですが・・・
水ペーパーは、2cm位の幅で帯状に、500と800、500と800及び、800と1000および800と1500を両面テープで接着し、後に、正方形のように四角にカットし、少し残し、角を落とします。
このペーパーは、主に、滑りにくくするための500番を指面に当て、オイルを付けて細かな面で表面を軽く磨きます。気を付けるべきは、500で磨き あえて細かいキズを付ける失敗は良くやりますから・・・、800でも1000でも軽く円を描くように、まんべんなく磨きます。厚くしっかりしている事で、ニスの刷毛の出っ張った線上の部分のみ削ります。
完全に、800⇒1000⇒1500をし、専用の研磨剤で磨くと、鏡面になりますが、
その手前で終了します。
角を残したペーパーはコーナー部分に使います。

1~2回塗ったら、軽く磨きます。油分を良く取ってから、塗ります。

注意しても
ニスとニスが重なって濃くムラが出来たら、そこは、良く磨いたスクレーパーで注意しながら、削ります。
色が薄くなったら、細い筆で、ニスを、そのままレタッチせず、パレット面で、少しニスの硬さを増してから、レタッチします。薄いまま塗ると、ニスを溶かし、表面張力で、塗った周りを盛り上げてしまい塗りたい部分を余計に薄くする危険があります。表板など、年輪の部分のみニスが盛り上がって、色が濃くならないジレンマにはまった時は、面相筆で、年輪と年輪の間に、粘度を増したニスを塗ります。

もし、盛り上がったら、そのまま完全に乾かし、スクレーパーで、取り、塗りを繰り返します。

塗り方は、裏板は、虎杢に沿って、上から、右から左へ、次に左から右へ、下から上に、中央から上に、下に
楽器の上から下へ、虎杢に反して、下から上に・・・は中央から・・
これは、濃さの面のみならず、ニスによる音響的なヒズミを少なくするためです。
なるべく、裏板は、縦の刷毛線が残らないようにし、残っても虎杢方向の刷毛の線を残します。
私の場合は、虎杢にそって くの字に塗っています。


色ニスは、塗り斑を色の濃さで判断できますので、薄い部分のムラをなくすように一回一回意識しながら塗り、磨きを繰り返します。
表板の場合は、色、ニスの薄い部分を良く判断し、薄い部分を全面塗るか?年輪と年輪の間を、面相筆でレタッチ程度に塗れば良いか?判断して塗ります。

最後、ピカピカにしたければ、専用の研磨剤で磨けば良く、
ここで、私の方法ですが、

ほかの方の方法は分からないので・・・・
美しく、磨かれた面や、刷毛跡が美しく自然の滑らかに残る面=この状態では、完全なマット面になっています。
完全ではなく乾いた状態で、木綿の布で、磨きます。
次に手の平の肉厚な部分で、磨きます。

ここからが、難しい方法です。

ティッシュペーパーを、写真の様に折りたたみ、片面にアルコールをたっぷり付け、それを折り、もう一方に面にほんの少しだけ折り 付着させ、指で、感触を確認します。びちゃびちゃはNG、少し蒸発を感じる程度で、
ニス面を、撫でますが、その時、跡が付く場合がアルコールが多い。跡が付かない程度で、
危険なので、べつなティッシュにアルコールを少しだけ転写し他方が安全かも???
失敗と成功の経験が必要ですが、これをする事で、自然な光沢が出ます。
ティッシュで拭き磨きした跡、手のひらで優しく撫で磨きます。

※少量のアルコールであれば、失敗は有りませんが、事故で、面にティッシュが付着した場合には、速やかに針で取り除き、事故を最小限にします。その後は完全にニスが乾いてから、修正レタッチします。
布でアルコールを吹くと、多量のアルコールを必要とし、気を抜くと、事故は、ベッタリ布が付着したり、動かなくなったり、意外と深刻になります。毛羽が広範囲に細かく付き、大変です、その点紙は、少し付着しても、その後のペーパー掛けで、綺麗に取れます。

濃いアルコールでフ拭き、ピカピカにも出来ますが、最初と最後が、ニスの融け跡が残り、あまりに鏡面なので、少しの跡も残り易くなります。これは、超ハイテクニックのわりには、リスクが大きい、失敗すると、ニスを最初からやり直すことにもなりかねません。
濃いアルコールで、素早く拭く方法も出来ますが、遠目では綺麗ですが、良く見ると、どうしても下地が融けるので、溶けた渕が美しくないです。
その点、ピカピカ鏡面ではありませんが、使い込んだような光沢が得られるので、好きです。肌触りも、優しく滑らかです。

このニスの方法では、1日~3日でニスを仕上げられます。いかに薄く塗るか!10回塗り仕上げです。


下地 布で、タンポ擦りタップリ3回 マスティックなどをテレピンで溶いたものを

アルコールニスを
①上から下の順で、右から左へ塗る
②上から下      左から右

③下から上  右から左塗る
④下から上   左から右

⑤中央から上、重ならないように中央から下、右から左へ塗る
⑥〃    〃         〃          左から右

⑦上から下へ塗る 中央から外側へ左右移動しながら塗る
⑧下から上に・・・・・・

※⑦⑧は省いても良いです。
家具でないので、なるべく薄く仕上げる

アンティーク仕上げで、Cの脇は、コナー中を濃く塗りたい時は、どこかの工程で、濃い色で塗った回数分、その部分を丁寧にさけ、薄い色や、透明なニスを塗り、塗りの回数の差を少なくします。
ニスによる音の弊害を少なくします。


どこを、どう塗ったか、訳が分からなくなり、全体の回数がめちゃくちゃになったら、
悪あがきせず、思い切って、あっさりと・・・
上手くいかなかったら、全部ニスをアルコールでふき取り、再度塗る・・・・
私の考え方です!
どんなに綺麗に塗れても、ニスの塗布の差がでれば、音が悪くなるのみだからです。
ニスは、見た目ではなく、やはり見た目ですが、それ以上に確実に平均に塗る事を重視します。

事故責任で、塗ってください!・・・と言いたいところですが、アルコール拭きは、やめておいた方が良いという事を最後に書きます。
沢山失敗したうえで、可能な事で、失敗しても、リカバリー出来、先が見通せるので、安心して仕上げに使っています。

もっと良い方法が有ると思いますが、上手な方は沢山いらっしゃいます!
私は、慣れた方法で いろいろな方法を試し失敗しながら・・・独自の方法で・・・

やはり失敗しながら試行錯誤しながら その人にとって思ったように仕上がるような方法を探し、前進するのが良いのではないでしょうか?
恥ずかしながら・・・・
つたない裏話しになりました!
by cremonakuga | 2014-06-18 14:50 | Trackback | Comments(4)
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Commented by スーさん at 2014-07-14 14:07 x
程好い色合いですね。板の質感が表現されて見栄えします。
Commented by cremonakuga at 2014-07-14 20:54
こんにちは!この裏板のニス、既に塗り替えています!
Commented by スーさん at 2014-07-15 15:34 x
個人的には板のザラザラ凸凹の表面が残って、少し艶消し位の感じが好きです。
Commented by cremonakuga at 2014-07-16 00:09
既存の名器の多くは、既に綺麗に透明ニスが施されていて、見た目は綺麗になっています。
 ピカピカでない、馴染む表面のも有ったと記憶しています。

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