ヴァイオリンの駒を調整する・・・その前に??追加資料

※追加(2014/5/08)
ヴァイオリンの駒を調整する・・・ご自分で・・・の追加資料です!




一番基本中の基本ですが。
駒が正しく立っているか?
ヴァイオリンヘッドの方から見て、指板から見て、駒左右の端が指板と同じ対称の位置に立っているか?
もし、駒が横にズレている場合は・・駒を正しい位置にします。
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駒のG線の下に、駒端から1mm内側に約6mmのバスバーは付いています。この位置がズレると事で音質が変わります。音響的に、正しい位置に!


ただ、指板自体が、ネック自体がズレている場合があります。ネックは正しく指板がズレる場合、意図してヴァイオリンでは、あまりしませんがE線がわに、気持ち、ほんの少しズラすなど。。。

その時基準は、駒の端の延長線がF字孔の上の目のラインに合わせます。
つまりF字孔の目の間隔が42mmであれば、駒は40.5mm~41.5mm~42mmにします。
※しかし、私のようにコピー楽器では、F字孔の間隔を39mmにする場合もあり、オールドコピーの場合にはあてはめられません・・・なぜなら、F字孔の目の間隔は音質に大きく影響するからです。もし39mmするとすれば、多分製作当時は、40mm位だったはずです、今 新作楽器の基準は42mmになっています。指板の端も42mmF字孔の目も42mm駒足の42mmが大概の基準です。駒は、私の場合は、そんな場合でもバスバーは、駒端から1mm~1.5mmズラし付けます。)
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ヴァイオリンの場合は、左右対称になります。しかし製作者によっては、ほんの少しE線のテンションの強さを考えて、かすかにネックの傾きをずらす場合もありますが、(その場合は、指板が駒のE線側への出方が増します=100年経ったら丁度良く成るかもしれません??)普通は、ほとんどしません。ネックは真っ直ぐに仕込まれている事が大切です。

表板の中心に接ぎがあり、その対称にF字孔の目が有り、
指板が正しい位置にあり、
F字孔の幅に近い駒が正しく立っていて、
その駒の足の端から1mmにバスバーが有る事が大切です
(F字孔から厚紙を入れれば、どこにバスバーが有るか確認出来ます)。

バスバーが内側にあれば、小さめの駒を立てる。
基本は、バスバーの位置と、魂柱の位置が、左右対称に近い位置にある事です。


ただただ、この基準から大きくズレていて、常識では考えられない場合でも、その方が音が極めて良い場合があり、正しく直すと、ダメになる場合もあります。特にF字孔の位置、バスバーなどは、大きいです。


駒の高さについて、重複しますが、写真を添え概要を述べます・・・・・・
既にご存知とは思いますが!

駒の高さなど、どんな状態が良いのか?・・・・は
その楽器をどういう意図で、どういう目標で製作しているかによります。一方で近年の弦の性能にどう合わせるか?というバランス上に駒が存在します。ただ駒の形高さが適当かでは、判断できません。
そのヴァイオリンの表板の中心が、華奢で厚さが、薄く弱いなら、駒の上の弦の角度を少し緩めが適当になり、158度より158度~159度くらいのが適当です。
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反対に表板が、厚く、しっかりしたヴァイオリンなら、弦の角度は158度~157度へしても問題ありません。

つまり、駒の高さが一定であれば、表板のアーチが高ければ(ハイアーチ)、ネック付け根で表板から指板までの高さは、6.0mmから6.5mmへなど高くします。テールピースの後ろのサドルの高さも高めにし、駒での弦の角度を一定に維持します。
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おおよそ

サドルは、表板から3mmくらい高さです。
表板の厚さが4mmであれば、7mm(~8mm)
・・・・要は、駒での弦の角度を意識し、アーチが高ければ、ネックの付け根の高さも高くし、サドルも高くし、駒での角度を一定に保つことが基本と思います。あまり高いと、音響上良くない。また、サドルの先端=頂上は、テールピースをポイントで基点となるようにしたい。甘いのは、良くない(ナットの溝も弦と隙間が甘いと良くない、きつすぎると切れやすいのですが、接点は、シャープに)
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アーチが低ければ(ローアーチ)なら、逆にネックの表板から指板まで、5mm~5.5mmと低めにし、
サドルも低めにします。

しかし、ネックの位置の表板から指板への高さが低くなると、ネックの親指があたるアールの位置が、表板の肩、角からの距離が離れて、手が小さな人にはより弾きにくくなります。


どちらも、指板から弦の高さは、基準値に維持した上のことです。
そのうえで、駒は、表板、裏板が薄め(ストラドタイプ)なら、駒の高さは32.5mm~33.5mmくらいで、弦の角度は、158°を超えるくらいのが良いようです。
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しっかりした厚いヴァイオリンは、(大方の現代のヴァイオリン)駒の高さも34mm~34.5mmで角度も158度を切る157度くらいが良いと思います。

この事は、一般論で、板が厚くしっかりしていても、音響的に、バランスが良い場合は、駒が低めでも、弦の角度がゆるくても、良くなります。
反対に、薄くても音響的に悪いヴァイオリンは、駒が低く、弦の角度が緩いと、よけいに鳴らないということもおこります。

単純に駒の高さを高くしたり、低くしたり、厚くしたり、薄くしたり出来ますが、そのヴァイオリンがどういうヴァイオリンか?どういう風な状態になっているか?で、どうしたら良いか?ということになります。
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元気な響きで、良い音で鳴るヴァイオリンは、強度、音響的に、どんな駒であれ、良い状態の駒という事が言えます。綺麗に整形された駒が必ずしも良い駒ではないかも知れません。良い駒ではなく、綺麗な駒とは言えます。綺麗で良い駒は、そのヴァイオリンを知らずしては、作れないという事です。そのためには楽器自体のセッティングを修正しないといけない場合もあるという事です。



※しつこいようですが、駒はヴァイオリンの場合、あまり高いと、音が、まるく、ボケます。あまり低すぎ、薄かったりするとると・・・・・キンキンしたストレスな貧弱な音になる傾向と思います。シャープなと言う良い印象ではない音域に入ります。
やはり32.0mm~35mm以下くらいが良さそうです。

ヴァイオリンは、出来立てから、指板は、先端が1mm~2mmくらい下がりますので、出来たてか、1年か半年か??で、35mmあっても、33.5mmに落ち着くかも知れません・・・・
反対に34mmが32.5mmになるかも知れません。


現代の新しい楽器の基準ではありませんが、
ご参考までに・・・
ストラディヴァリウスや、グアルネリ・デル・ジェズの名器の設定は!

駒の高さ・・・・ ~33.5mm
指板の先端の、表板からの高さ・・・・~19mm(新作を作る時は、下がる分を加味し、20mm~21mmにします。
ネック元で、表板の淵とパーフリングの間の一番高い位置から、指板黒檀までの寸法・・・5.5mm~6mm

指板の延長線の駒位置の高さ・・・~27mm(必守)
指板先21mmで駒27の場合駒高さ34mm
変化予想
20mmで26mm駒33mm
19mmで25mm駒32mm
こんな感じであらかじめ指板が下がる事を想定します。


現代の楽器の基準からは、少し違うかも知れませんが、私の楽器は、だいたいこれくらいを基準にしています。

駒の高さで言えば、一番音質が良い高さが、33.5mmくらいで、34mm~35mmでは決して無いことは確実です。

指板が少し低ければ、ガット巻き線で丁度良く、指板が定位置であれば、ナイロン弦で丁度良いという事になります。

ただし現代の楽器は、丈夫で、強い弦を、強く張ることも視野に作られていたりしますので、
基準が、弦の角度や、駒の厚さ、高さが、少しきつめになっていたりします。また新作は、指板が1mmくらい下がることも考えていますから、
34.5mmの駒は、多分33.5mmに削り、丁度良く、落ち着くのではないかとも思います。


※駒追記ブログへ

ヴァイオリンの駒の高さ、弦高を自分でチェック!
by cremonakuga | 2014-05-08 15:38 | ♪♪ Vnの音と付属品 | Trackback | Comments(0)
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