ヴァイオリンの保存温度・湿度は? 追記2015・23/7

久我ヴァイオリン工房

この夏の暑い時期、ヴァイオリンをどう保存したら良いか?
困る方も多いのではないでしょうか???

私のように、たえず工房に在中する場合は、ヴァイオリンと一緒に寝食をともにしているようなもので、
ヴァイオリンも、快適な生活を維持できますが、

普通は、なかなかそうないきません。

では、いったいどうしたら良いか?

まず、季節での、いろいろな危険、アクシデントを想定します。

①梅雨、夏の高温・多湿で、ニスにケースや、布の跡が付きやすい、50°以上で、ニカワが剥がれる危険、ネックが下がりやすい

新しい楽器、製作1年以内なら暑さで、ニスが柔らかくなり、ケースの跡が付きやすい また、ネックが落ち着かず下がる可能性が高い時期です。

②冬の乾燥時期、暖房などで、異常に乾燥すると、板が割れる危険もあります。

温かい部屋から、冷たい窓辺に移動したり、反対も、急激な温度、湿度は、同じようなリスクがあります。
また、ニスが割れたり、皺が寄ったりします。

そもそも、発祥の国々では、、湿気は少ない、石作りの家は、日本のように高温になりにくい気がします。(
クレモナの冬は、近くのポー川のせいか深い霧が発生し、特に1Fは湿気でカビは発生します。)

まあ、そんなことを言ってもしようがないのですが・・・・・・


部屋で保管するときは、勿論、直射日光など当たらない、一番温度が上がらない場所、風通しが良い場所としか言いようがありませんが、 この時期は特に、弦を、総て、半音~1音以上緩めておくのも手です。
時々、こまめにケースを開け、空気を入れ替えるのも・・・・

とんでも無く過酷な環境であれば、また、新しい楽器であれば、最初のシーズンは、針金ハンガーを曲げて、ヴァイオリンのネックにかけ、涼しい場所壁に、つるしておくのも有り、ヴァイオリン工房のように、鴨居のあたりにワイヤー張って吊るとか・・・無理でしょうそれは!
しかし、何かの拍子にぶつけたり、落としたりしないようにしっかりさせないといけない。ヴァイオリン展示用のスタンドに立てておくのも良いかもしれません。やはり、ひっかけたり、ぶつけたり 不慮の災難がおきないようにしたいものです。


美術品のように、桐箱を作り入れておくのも日本古来の知恵で良いかも知れない。桐箱は、温度、湿気の変化を少なく防ぐそうです。しかし、何億円もするのであれば、それも有りですが、それより専用エアコンで対応したほうが良さそうですね!
人間同等扱いになりますが・・・・

いろいろ保存温度、湿度を調べると、

美術品であれば、18°C~20°C、50~60%くらい。

油絵・・50%~55%
木・・・50%~65%
木像・・・20°C前後、 50%~65%
家具、彫刻・・・20°C前後、45%~65%
ワニス(ニス)、糊がついたラベル・・・16~25°C、50~65%
象嵌、寄木細工・・16~25°C、55%~65%

ヨーロッパの有名な楽器商は、50~55%くらいだそうです。

ヴァイオリンは木で出来ていて、象嵌細工が施され、ニカワで、接着され、ワニスが塗られている。ラベルは、羊皮紙、紙など・・

そう考えると、温度20度、湿度、50%~60%がベストですが、一定に保つ・・それも無理でしょう・・・・と思います。
追記・・ヴィオリンケース内に付く湿度計の目盛りは40%~60%がノーマル範囲とあるようです。
やはり50%前後が目安のようです。

家で暮らすには、室温25° 湿度40%くらいが快適ですが!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※結論・・・
長期保存は60%くらいにし、日常保存は、60%を超えず、50%を切らないようにし、個人的には演奏空間は40%~45% くらいが好きですが。
ちなみにサントリーホールは、23.5度で55%らしい!? 



ケースは、厚いケースの方が、熱を通しにくいですが、ファイバーのようなケースは温まり易そうなので、外出時は、外を10分以上太陽に当たる状態は避けたいものです。
コンビニ、デパート、本屋さん、木陰、・・・地下鉄、日陰を渡り歩き目的地へ移動したいものです。


間違っても窓辺や、車に置きっぱなしは、アウトです。 50°C以上になるので、ヴァイオリンが、ベタベタ、バラバラになるので、要注意です。

寒暖の差が大きい窓辺では、ニスに大きな亀裂が発生する可能性があります。自然の細かい亀裂は歴史の印で美しいものですが・・・寒暖の差でできるキレツはおうおうにして大きなキレツで美しくないのです。

ヴァイオリンは、我が子であり、大切に扱うしかありません!
頭の痛い季節ですね!

※ヴァイオリンケースを選ぶとき、ネックの木部で支え、エンドの端の先端が留まるようになっていて、ヴァイオリンの裏面がかすかに当たらないのが、ニスには良いです。ニスの跡が付く恐れがあるヴァイオリンには向きます。
通常底面のエンドの3cm~5cmくらいソフトなクッションで盛り上がっていてそこへのせるものが有りますが、そこのニスの跡が付きます。ヴァイオリンの保護のためには良いのですが、・・・・跡が付かないヴァイオリンには向きます。


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by cremonakuga | 2013-08-01 20:43 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Rumi at 2015-07-22 22:53 x
マンドリン(自分)、ギター(つれあい)、バイオリン(姪)、ビオラ(姉)など、色々な楽器に囲まれているので、このような知識を分けていただけて感激です。姪が梅雨の時期の楽器保管について悩んでいたのでウェブサイトをシェアさせていただきました。
ありがとうございます。
Commented by cremonakuga at 2015-07-23 01:06
こんにちは!あまりお役に立てませんが・・・ヒントになれば幸いです♪
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