名器?を作るにも・・・・
ヴァイオリンを弾く方にも、知っておいていただきたい知識です。 ヴァイオリンを、良い音で、綺麗なヴァイオリンを作ろうと思うと、 最初に、良い材料を探さなくてはなりません。 ヴァイオリンは、家具や、単なる音を出す道具ではなく、音を出せる芸術品です。形が作れ、弾ければ、完成ではなく、そこは初歩の初歩です。しかし、古くはイギリスなど、だれでも気楽に作っていたのがヴァイオリン、構えず、好きこそものの上手なれ的に、作って欲しいものです。 ヴァイオリンの製作を始めるのに早い、遅いは有りません。ヨーロッパの名工には、途中から製作者になった方が沢山いらっしゃいます。若い時から修業しないとプロ職人と認めない風潮が特に日本にはありますが、 世界では、出来上がった楽器が どうか?で判断されます。特にハイレベルな演奏家に至っては、楽器製作がプロであろうが、アマであろうが、楽器がどうか???それで判断されます。つまりプロとかアマとか、また若い時からか、途中からか?そういう色眼鏡を外し どんな楽器か? ・・・が大事です。 あるレベル以上の工作技術、基本的にきちっと出来ている事は当たり前と考えた上で、どんな音か?それは良く鳴るか?鳴らないか?は初歩的な段階で どんな音色か?音色が一番大切です。鳴るのは当たり前の事という事です。 ※(追記)本当に良いヴァイオリンは単に良い音、良く鳴る・・だけではなく、高度な演奏表現が可能か? どうか?そこが重要です。 製作者の立場、素晴らしい名器がどうできているか?を知る立場、いや調べる人からは、見かけが、素晴らしいアンティーク仕様とか、素晴らしい見栄えのヴァイオリンか?がではなく、その楽器が 音響的に、どう考えられ作られているか?で大きく異なり、そこで、深い表現ができるか?単に綺麗な音で終わるか? 例えば、音響学的にハッチンスさんの理論で作られていれば、一般の人には、素晴らしく良く鳴り良い音と言われるでしょう。 サッコーニのシークレット オブ ストラディヴァリに出ている厚さであれば、現代の新作イタリアンの音と言われる様な綺麗な音色になるでしょう。それが、現代のイタリアントーンと言われるかも知れません。 また、最新のStrad誌のポスターにある厚さがグラデーションでリアルに表示された様に作れば、より 本物に近いクオリティーの楽器が作れ、大方に人から 良い音で、良く鳴ると言われるでしょう。 しかし、そこまででクリアーできない大きな要素が、①木材の素材の良否と経年です。②もっと深い更に詳しいデータです。 さらに詳細なデータを入れ作り込んでも、一般の方には分かりずらく、かえって何もしないシンプルな設計の方が、弾きやすかったりし良い評価が得られることがあります。 しかし、しかし、詳しいデータで作り込んだ楽器は、本物を使う演奏家や、ハイレベルな演奏をしようとすると、思った様な表現が可能で、評価される様です。 外見が普通に作られていても音で、すぐにわかります。表現力も違います。 詳細なデータは、なかなか得られないのが現実ですが、自分の耳から聞く音から、推測し探り、試す事で可能かも知れません。 良い音とされる名器を名手が弾く音楽を生で真剣に聴く事が、もっとも重要です。結果、明確な音のイメージが頭の中にまず有って、それから作り方ほかもろもろ・・・となります。 最初、正確に作れるか?良い材料を的確に処理できるか?美しく完成できるか?良く鳴るか?そしてどんな音色が作れるか?となります。 つまり、最終的な音色を作るためには、最高の音色とは どんな音色か?が分からないとまったく辿りつけない。 どこ産の どんな木材を、どう作るか?本物を聴かない限り難しい・・・・・・若い時から修業し沢山作り続けても最高の音が分からなければ、現状の製作方法で満足し作り続けるのでしょう!しかし若い時から修業しながら名器の名演を沢山聴きながら・・・また、沢山名器の名演を聴いた人が途中からヴァイオリン製作を始めた場合、自分の作った楽器の音が大きく違う事に気づき、製作の仕方を大きく変えざろうえない状態に変化するでしょう! 決して満足は出来ない筈です。 その上で基本的に大切な事は・・・・ そうは言っても、良い音を引き出すには・・・・・・・ ヴァイオリンの作り方は、Web上でも、動画でも、また本でも沢山出版されていますが、形を作るのは、簡単です・・・と言いたいのですが、そう簡単でもありません。単にヴァイオリンの形を作るのであれば、簡単と言えるかも知れませんが、100年200年もち、演奏に耐える道具としての楽器を作るのは、力学的な理解と、道具と使い方、膠の性質、きちっとした、演奏に使える、基準をクリアーしていなくては使い物になりません。 そのうえで、きちっと道具として演奏に耐えるヴァイオリンは、少し練習すれば、作れます。しかし綺麗な音を出す道具を、家具や指物のようなものではなく、楽器を作ることは、難しいと言えましょう、そしてストラディヴァリの様な音が出せるヴァイオリンを・・・となると、さらに難しい世界に突入します。 簡単な例では、木材の年輪の幅が、2mmとか、広めで、年輪がしっかりしている材は、大きく良く響きます。年輪が細く、密な楽器は、音量は別にして品が良い音になるような気がします。厚さで大きく違いますので、一概にはいえませんが・・・材木は比重が軽く、強い材木が良いに決まっています。強ければ薄くできます。縦方向、横方向に強い木材が結果音響的に良い楽器になる可能性があります。つまりどんなに、上手作っても、材木が良くないと、音響的な楽器が作れません。 そんな夢をかなえようとすれば、まず、名器と同じ性能の材料を使わないと、最初から不可能と言えます。 そんな視点から、この木の選び方を参考に、していただき、名器の本や、ポスターなどを見た時、その寸法より、先にどんな木材が、どういう風に使われているか?材料の特徴と使い方を検証すべきです。 例えば、学校では、一枚の表板を半分に割り、それを接ぎ、左右対称にしますが、高音のトレブルサイドを密な材にし、低音のバスサイドを年輪の幅が広い材を使うと、 より低音が、鳴り、髙音は、緻密な音質のなるっでしょう。その反対にすれば、高音は、オープンに良く響き、低音はしっかりした響きを持つでしょう。 また、一枚板の表板を使えば、どちらに、どう使うかで、響きが変化します。名器は、必ずしも左右同じ木材を使ってはいません。ガスパロの有名な小型のビオラでは、 中心が幅が広い年輪になるようにしてあります。名工たちが、どう使っているか?そこから多くの事が学べます。 (この木材は、拡大せず、ふつうに見ると、細かく密で良い方の材質で、音質も良いですが、しかし均一ではありません。厚さの部分的な微調整が要ります、素晴らしいとは言えませんが、髄せんは、綺麗で音響的には良いようです。) どんなに、ヴァイオリン製作技術の腕が良くても、そうでなくても、良い材料に こしたことはありません。 材料選びも、製作技術でもありますが・・・・ ※ただ、中心から外へ、少しづつ年輪幅が均一の広がる木材が、理想的ですが、このような極めて細かいが、しかし均一で無い木材も、良い材料に入ります。ストラディヴァリの1710年前後は、このような木材が多く使われています。 また細かくなくても、マスキアトゥーラの木材は、それだけで良い材料です。クレモナの名工達は、多かれ少なかれ、マスキアトゥーラの木材を多く使用しています。ドイツでは、ハーゼと言うらしいですが、 この木材は、横方向への強さを作ります。マスキアトゥーラは、自然な木材の横方向への見えない小さなバスバーです。マスキオ材は、アベーテロッソより年輪の幅が広めで、軽い。アベーテロッソで マキアトゥーラが入ったものもあります。 どういうことかは、何もない木材より薄く作っても、強さを維持できます。また、音の伝達も、普通の木材より速いことが知れれています。 北イタリア産のが良く、その中でも産地により素晴らしいのと そうで無いものだあります。すばらしい材木は、簡単に表現しますと、比重が軽く、かつ強い木材です。年輪が細いのですが強いのです。 つまり、こういう木材を、普通の木材と同じ厚さで作っては、宝の持ち腐れということになります。 もう一つの効果は、見た目の厚さとは異なり、実際の強さの厚さがデコボコになります。平たんな板とは違い、複雑な強弱によりデリケートな振動を作り上げます。 このことが、音響的に、美しい倍音を作ります。このことは、どこにも書かれていないようですが、 多分、だれも詳しくは知らない事と思います、ただ良い音がする、音の伝達が速いということは知られています。 同じようなマスキアトゥーラの木材でも、イタリア材と、ドイツ材では、違います。アベーテロッソ・・・ヨーロッパスプルースもイタリア材と、スイス材、ドイツ材で違います。イタリア材でも、少しの場所の違いで大きく違います。 同じように見える東アジア材では、もっと違います。簡単な違いは、縦、横、ねじれの強度が違います。見た目悪くても、ヨーロッパ材のほうが良い事が多いのは、その理由です。 ※、こんな経験があります。 ある方が、グアルネリ・デル・ジェズは、あまり良い木材を使っていなくて、良い音のヴァイオリンを作った! だから、どんな木材でも、腕が有れば良い音のヴァイオリンは作れると・・・・細かな年輪の中国産の木材でも、腕が有れば同じような音のヴァイオリンは出来ると・・・・ その時、ヨーロッパ材を勧めましたが、根本的な事を、ご理解されていない様子でしたので、会話はそこで終わりました。 その細かな年輪の木材が、もしヨーロッパ産で特にイタリア材か、スイス材でしたら、納得しました。実際にその木材を、削ってみると、普段行う、音響的な特性が無く、削る気すら無くなりました。 無意味だと感じました。 勿論、基本的な、腕は、必要でしょうが、ふつうに、良く鳴るヴァイオリンまでは、作れますが、50年、100年過ぎて、更に素晴らしい音に変化するヴァイオリン、出来立てから、完成度が高い素晴らしい音のヴァイオリンは、どうやっても出来ません。 木材が、年輪が細かいのでスカスカなのです。 森の環境、気候から、その木材の長い歴史と年月から根本的なルーツが違い、木材の密度、松ヤニなど、違う・・・・ グアルネリ・デル・ジェズは、表板は、左右違う木材や、細かな木材、広い木材、どんな木材でも、基本的に、アルプスの木材を使っていて、板の厚さは、それに合わせて極めてデリケートに調整されています。見た目では無く、木材の基本的の良いルーツの木材を使っています。前の述べた、見た目同じように見えても、まったく違って良い材料を使っています。 音に変わりないという声も聞きますもが、変わりないと思い作ることは、その変化と良さが感じられないという事になります。音に敏感に、研ぎ澄ますと、大きな違いは分かるものです。違いを感じ取れないということは、そのデリケートな音の変化が分からない訳ですから、木材を選ぶ以前の段階で、ヴァイオリンとして、上手に生かせないことになるでしょう! 好き嫌いではなく、音響的に素晴らしい木材と言えます。しかしそれも産地で、重い、軽い、年輪が太い、弱い強すぎるなど、特徴があり、それを検証して、それに有った作り方をしないと活かせません。 大きな模様が、どこへ来るかも、本来厚くすべき場所に来るのと、薄くする場所に来るのでは、大きな違いがでます。 何時もと同じ厚さ、図面で作っては、きっと、鳴りにくいヴァイオリンになるかもしれません。 材料をどう使うか?が大切です。 使い方は、音質が、良くなる要素など、基本的な仕事になっています。 ヴァイオリン製作者は、みな、材料選び、とその効果的な使い方をし、ヴァイオリンの形にしていきます。 ヴァイオリン製作は、木材は、関係なく、腕による・・・・というのは、まったくの大きな間違えです。 良く鳴らないのは、木材の理由ではなく、腕が無いから・・・という事を言っている製作の話しを良く耳にしますが、腕があれば、良くない木材でも、上手に最大限生かせますが、腕が無いと、良くない材料、良い材料、どちらでも、結果はあまり変わらないのではと思います。 ここで言う腕とは、綺麗に作るという意味ではなく、音響的に処理するという意味です。 話を戻し、 ヴァイオリンの材料が古く、貴重で、長さがぎりぎりとか、ずらせないとかは除き、なるべくなら、そうした方が良いと思います。それがすべてではありませんが! つまり、表板の中央の接着部部分(接ぎ)で、左右の板の髄せんを合わせること、左右2枚の板を接着しながら1枚のように音の通り、振動の通りを良くすること。 その髄せんは、材質は異なりますが、駒に見られる雨状の模様と同じです。 だからと言って、この事が、格段に音が良くなる訳ではありませんが、ヴァイオリン音は、やはり表、裏板をどう作るか厚さのロケーションで決まります。しかし、そうした少しずつ、ひとつずつの、良くする効果の積み重ねの努力、そうした考え方の具現化の集積が、結果として、基本的な、楽器が持つ音を、大きくしたり、反応を良くしたり、弾き易すかったりクリアーさだったり、を引き上げてくれるはずです。 例)ヴァイオリンの駒の背面に、雨模様が、出るように、なるべく、その雨模様がはっきりしていて、長いのを選ぶのは常識ですが、その雨は、楓の髄せんで、音の通りが良く、それで、直線でなるべく長く使えると良いわけです。 これは、使えない 端材になる駒ですが、雨の見本にはなるかも これは 実際に 試しで少し使った駒の様ですが、雨は少ないです。 ほかのヴァイオリン製作者の方は、分かりませんが、 ・・・おなじように、ヴァイオリンの表板にも随せんが、年輪に直角方向に流れています。随せんが、はっきり良く見える木材は、良い材料です。他に年輪など要素は、ありますが、まず間違いありません。 随せんが見えるようにするには、表板の断面に年輪が90°で流れるように木取りせねばなりません。 接いだ中心の向ってカタカナのハの字の逆・・ \ ! / ・・・にする必要があります。音響、強度の面でも効果があります。 ヴァイオリン表板の断面の年輪の向きが、板の表面に、90°、直角になっていると、随せんが、駒の背面のように長く続きます。材料選びは、年輪も綺麗でないと、90°に使うことができません。 ヴァイオリンの表板は、1枚の木材割って、接ぎます。その接ぐ時、なるべく、その随せんを合わせると、 ニカワで接着した左右の木材の音通過が滑らかになります。同じように音響的に良く、なるべく、駒を含め中央付近から全体に合うように接着します。 アベーテロッソは、随せんが良く見えます。マスキオは荒れていて、なかなか合わせるのが難しい。 この随せんは、イタリア語で、Raggio Middllareと言います。 水平方向へ見える線です。 矢印が、接ぎ位置で、随せんが、つながっています。 もう10年も放ってあった表板ですが、見えます。中心の接ぎがわかりませんが! 上の写真に接ぎ位置を表示 上の写真に接ぎの位置を表示 ヴァイオリン木材は、中央でカットし、中央の面を上にして、その面がヴァイオリンの表面になるように使います。外側も内側も、中心から真っ直ぐのはずで、その場合は、どちら面を上にしても、髄せんは同じですが、中央の同じ面どうしを使うことで、年輪の幅など、まったく同じ木材の隣りあわせになるので、接ぎ後、左右同じ年輪になります。外を上にすると、微妙に左右異なります。 ヴァイオリン材木選びは、右のような均等に年輪がはいったものを選びます。そうすると、髄せんが、うまく通せます。 左のような場合、表板のどちらかが、髄せんが、通らなくなります。こういう材料は、木材が厚い場合、カットする位置で髄せんが通るように使いますが、苦労します。 ちなみの 赤材・・・Durame 白太・・・Albuno ・・・・だったと・・・?????? ヴァイオリンを弾かれる方にも、完成したヴァイオリンが、こんな風に、考えられて、作られていることを知ることで、ヴァイオリンに対する愛情が、より深くなるのではと思います。 ちなみに、Cremonakuga violinoのヴァイオリン製作は、木材の使い方は、もともと厚さ左右非対称のため、左右別別な素材を使うこともあります。あえて、左右同じ木材を隣りあわせで使わねばならない理由がないため、これがすべてではありませんが、ただこれらが基本です。 この髄せんの模様が、気持ち悪く嫌いという方がいらっしゃると聞きました。同じようにマスキオの模様も嫌いという方がいらっしゃると聞きました。 髄せんは、最後の表面を細かいサンドペーパーで、ピカピカに処理すると、浮き立ちます。 最後の磨き処理の工夫で少し目立たなくすることも可能です。 マスキオは、私のように、これでもか!という多いのありますが、表板の数か所見える程度は、名器に見られる程度です。 製作者としては、音に良いことは、好き好きでも困りますけれども! そうそう、形を作る、音が出るヴァイオリンという楽器を作る。 ・・・・・には、まず良い材料を選ぶというお話をしました。 よく、練習だから、良くない材料で作る・・・・ということを聞きます。 練習こそ、最上級の材料で、しっかり作ることをしなければなりません。 なぜなら、どんなに良く出来ても、材料の持つ能力が足りないと、良いものをできません。 良い材料を使ったら、良い音のヴァイオリンが出来るとは限りませんが! ただ、形を作る練習なら、作るだけ無駄な気がします。 つまり、良い音を、作ろうとする気持ちが大切!。 実は木材を選ぶ前に、ヴァイオリン製作は、良い音を沢山聞くことが一番大切と思います。 耳を、研ぎ澄ます訓練こそ、一番大切ではないかと思います。 名器の良いコンサートを沢山聞くにつきます。 そうすると、どれだけ違うか、嫌になるほど分かります。 名器との距離感を素直に受け入れ、時間をかけて縮めることにすべてを捧げます。 最後は、自分が、良いか、悪いかどうか?近いか、遠いか、音が、どんなか、判断しなくてはなりません。 人に聞くと、100人が100通りの、感想をおっしゃいます。 人の評価は参考くらいにし、ただし名器を使う演奏家氏に限り意見を聞くことが出来ます。 一番厳しい評価が自分で出来るのが、良いヴァイオリンを作るための基本と思います。 そうこうしながら、私もあいかわらず、良いヴァイオリンを作ろうと努力しています。 こんな事がありました。 ある展示会で、先輩の製作者,人柄が楽しい方ですが、私のヴァイオリンを試し、変な音がする!とか変わった音とか 面白い音がする!とかおっしゃいました。弓を寝かせ、力いっぱい弾かれましたから、音になってい、別な音がしました。私は、それではちゃんとした音にはならないと感じましたが、その弾き方は彼の楽器の評価をする時の弾き方なのでしょう。 お話しを戻します・・・・・・・・・ そして、付け加えるとしましたら、ヴァイオリンの良い板が、選べたら、表面は、美しく作り、内面は、大まかには滑らかに仕上げなければならなが、日本人特有な、几帳面さ、正確さで、内面も何一つデコビコがなく美しく仕上げない方が良い、 大雑把に、平らに、滑らかに仕上げる。大切そうな箇所は、厚い、薄いを間違えなければ、0.1mm厚くても、薄くても、少しの面積なら、平面よりは、そのほうが音は良くなります。 0.2mm以上の予定外のデコボコは なるべく避けたほうが良いです。なぜか?は、書きませんが! 完全に滑らかな良い点は、演奏も滑らかに音が出ます。デコボコは、音質に味が加わり、深い音色になります。 工作技術が、高い製作者が作るヴァイオリンは、意外と面白くない音がしたりすることがありますが、 アマチュア初心者の楽器は、人によりますが、少し弾きにくいが 音が魅力的な音がすることが多い・・・のは、そこから来ます。 アマチュアの方がきちんと製作を習い、美しいヴァイオリンが出来るようになると、音も案外面白くなくなります。しかし弾き易くなり、平均的は音のヴァイオリンになってしまうことがあります。音に、魅力的な要素が薄くなる。 その兼ね合い・・・外は美しく、中は、音の考えに沿って、作り、アバウトな中にも、適度になめらか、決して、見た目で美しくするために完璧に平面にしない・・・固い意思。 もし、ヴァイオリン製作を仕事にしようとか、最高のヴァイオリンを目指そうとする燃える若い方が、これを読んでいたら、ヴァイオリン製作学校や、マエストロには、しっかりした形の作り方を習うことを薦めます。 もう一つは、最高のヴァイオリンソロコンサートを沢山生で聞くことを、おすすめします。 なぜなら、良い音を聞き分ける耳をもっていないと、100%、最高の音のヴァイオリンは作れない。最高のき基準が、分からないと、自分の製作結果、そこまでの音の距離が分からないからです。 若い時から、製作を始めると、製作技術は、向上しますが、どうしても綺麗なヴァイオリンを目指してしまします。美しい形、アウトライン、美しいニス・・・・ ほとんどの人は、ストラディヴァリの音の本当の美しさは、どこにあるか?ガルネリの良さをどこか?明確には分かりません。漠然と、高音とか、低音とか????? どこの学校で教わっても、またほとんどのマエストロから教わっても、その作るヴァイオリンは、クレモナの名器とは、比べものになりません。 新作の清々しい音色の良さとは、別に、明確な違いが、そこには有ります。耳を鍛えないことには、どれも良い音に聞こえます。 演奏家が、使う、使えるヴァイオリンを作ろうとするのであれば、弾く人以上に耳を鍛えないとと思います。 ※ストラディヴァリウスも各々その音色、性能は、異なりますが、ストラディヴァリウスの音がします。新作が、既にそれの音を超えたという人が居ますが、大きな音が必ずしも良いとは、私は思いません。いろいろな聞き比べで、新作に軍配が上がるケースが多いようですが、実際にストラディヴァリウスを使っている人は、分かるようです。とても難しい事です。 繊細でデリケートな違いが分かる方が、ヴァイオリン製作には、とても大切な事です。 音に関しては・・・・・ 素材は一番大切で そこからスタートしますが、ただ単にスタートを切れるかどうか?その後にもっと音に重要な事が満載されています。 本物の美しい音色に魅せられて始めた人は、美しい音を目指して始めるため、距離感が分かる。 ヴァイオリンは、外も、中も家具、調度品ではないのです! 道具ではあって、ただの道具ではありません。 ”ヴァイオリン作りは、気品という音の詰まった宝石箱作りで、ありたいものです” 最後に・・・基本的なヴァイオリンの作り方で大切なのは・・・・ 実は、一番大切なのは、木材の選び方など、ニスがどうだ こうだ・・製作ノウハウ、形を作る技術ではなく、良い音を聞き分ける耳とそれを感じ取る脳、感性を養う事が一番大切なのです。本物を聴くことに尽きます。それが出来れば 必然的に どんな材料が適すか 適さないか 自ずと分かってきます。 ただ、良い材料に巡り合えるまで年月がかかるかもしれません。 ニスでも種類、塗り方で どう音が違うか???感じ取れるようになります。 そこから形を作ることにつながります。 そうした基本的な事を前提に、本物を沢山見て、調べ そこから学び自分のものにして製作する事が理想です。 ヴァイオリン作りは、家具装飾品を作るのではなく 音楽を作る事だからです。 ①材料の選び方・使い方 ②工作としての道具を使いこなす技術 ③家具でも工作でも良く外見、構造を美しく作れるように ④本物の音が分かるように ⑤求める本物から学ぶ ⑥最高の演奏家に評価していただく が理想です。⑤が師事する師匠であれば、師匠レベルを超えられるかどうか???頂点にこしたことはないのです! ⑦最後に300年前の名工と同じ事をし作る事です。 プロという職業としての製作者か、若い時から修業したか、製作学校出たか、マイスターか、マエストロか、何歳か、アマチュアか、どこの国か?男か女か?製作コンクールで入賞者か、何丁作ったかは、売ったか、まだ売っていないか、関係あると人もあれば、関係ない人もいて、つまり、人に依る。 材料、道具を上手に駆使して、寸法基準をまもり、技術不足によって壊れたいしない、普通の楽器を作れれば、良いという事です。 ただし、良い材料は、それだけで良い結果につながります。 ※誰も書かない、知らないだろう私のトップシークレット Ps. 疑問を持つ事、イメージを発展させ 仮説を立て 試す・・・。ストラディヴァリもグアルネリ デル ジェズも現代より板を薄くし、薬剤を塗って強化しています。究極的には、板は薄い方が良く振動しますが弱くなります。板を薄くし厚い板と同じ強度になるように強化する事・・・最後はそこまでしないと至れない様です。 強化化は木材の段階で浸透させたか、後から塗ったか?は不明ですが、以下の処理がなされています。ストラディヴァリウスの様な音質は板が薄く無いと得られない音質ですから強化は必須です。でないと1年 3年10年で板が大きく変形する恐ろしい事を経験させられます。 Stradivari・・・珪酸カリウム(灰汁)+Nacl+硼砂(ボラックス)=ガラス質にみる切れの良い音質傾向 Guarneri del Gesu・・・明礬+カルシウム=マイルドな音質で音色の色彩がある感じ どちらもアルカリ性(弱?)にする事で木材に優しい。酸性は木材を劣化させます。 塗る場所は、外か?中か?ですが、私の場合が主に中に塗っています。外に塗る人もいらしゃいます。外も中もいらっしゃいます。一番大事な事は弦の圧力の関係で、一番力がかかるエリア片方に=弦の圧力が一番かかるエリアで楽器の一番振動するエリアに重点的に塗る。 塗る量は、濃度によりますが、私の場合(天然由来の灰汁使用の場合)は、もし内側全体に2回塗ったとしたら、重点エリアは、更に2回(4回~???回(板の厚さの関係で回数を変化させる)どこを塗るか?は あとは想像力で考え試す事です。 しかし、塗りすぎると、音質が硬くなり取り返しがつかない事もあります。 指針・・・最終的には柔らかい音質から逸脱しない範囲かと思います。 これらは経験値で分ります。失敗は成功の元です。労なくして成果は得られません。 強化度は指の関節でタップした時の音質で変化を確認できます。 ※ヴァイオリン製作・厚さ 左右非対称 トップへ Kuga Violin Atelier(久我ヴァイオリン工房) Cremonakuga ・・・・・・・・久我ヴァイオリン工房・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
by cremonakuga
| 2013-05-24 00:15
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Comments(3)
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kawa33337777 at 2013-07-24 10:37
こんにちは。
毎回、ブログ拝見させて頂いております。 今回、表板のはぎですが、裏板も中央の面を上にしたほうがいいのでしょうか、教えてください。
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cremonakuga at 2013-07-24 15:42
こんにちは!裏は、虎杢を合わせる都合上、中央の面、同じ面が、ぴたりと合わせ易く、あえて離れた外でする意味が少ないと思います。外のが模様が綺麗で合う場合は、外でも良いのではと思います。表は、音がダイレクトでデリケートなので、特に合わせたほうが良いと、私は思います。
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kawa33337777 at 2013-07-24 19:16
こんばんは。
早速の回答有難う御座います。確かに裏板の虎杢は対象的には合いませんね。後、表板のニスが飴色で色合いがとてもいいですね。私には残念ながら表現できません。
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