ストラディヴァリモデルの厚さ

久我ヴァイオリン工房
cremonakuga violino

Antonio Stradivari "Marie Hall-Vioti 1709"・・・・・
・・・・・・の厚さは、ほかのストラディヴァリと同じく複雑ですが、
ストラディヴァリと言うと板が薄いというイメージがあります。

お馴染みの私の膝です!
d0040395_1326385.jpg



確かに全般的に薄いことは確かです、
薄い楽器は信じられないほど薄いのですが、楽器により固体差があり、
薄いのは薄いなりに そこを守る場所、補完する部位は普通以上に厚めになっています。


Cremonakugaが製作する楽器は、単純に薄くはなく、必要な箇所は薄く・・
そこをカバーする場所は厚くします。
サッコーニさんの
「I "SEGRETI" DI STRADIVARI シークレット オブ ストラディヴァリ」・・・
・・・・にのっている厚さと大雑把に比較してみましょう。
確かサッコーニさんのは、水ガラス処理で強化をするように記憶していますが??そうだったか??
不確かですみません・・・
魂柱付近 F字孔周り、F字孔の丈夫C付近は厚いが 他はほぼ一定になっていますが、
まずは~単に薄く作るのではなく鳴らすためには、
厚さの抑揚・変化があることが、必要になります。

ストラディヴァリは薄い個体もありますが、必ずしも 薄くは有りません。普通2,4mm~3mmで作る部分薄い部分でも2mmを切り1.9mmとはありますが、逆にほかの2.8mmなどの部分で3,6mmあったりします。薄くても 強度を増す方法も有ります。厚さがたっぷりある部分でも 簡単に振動しやすくする方法もあります。そういう作りは全体的に強度を持っています。


なお、Cremonakuga製は、
オリジナル下地ニス(ストラディヴァリの成分と同じ樹脂とオイル成分と推測される)を染み込ませます。

イタリア語版コピー本
d0040395_13295925.jpg

英語版
d0040395_13301082.jpg

表板について、

≪サッコーニさん≫
 アッパーメインエリア・・・2.4mm 
  渕・・・・・・・・・・・3.3mm 

 センター・・・・・2.4mm、
 センター渕・・・・一部4mm、 
 F周り・・・・・・・2.7mm
 魂柱あたり・・・3,2mm、

 ロアー・メインエリア  2.4mm 渕3.3mm


≪Cremonakuga製≫
アッパーメインエリア・・・ 2.4~2.7mm、
渕・・・・・・2.9mm~3.4mm

センター・・・・・・・2.3~2.6mm、
センター渕・・・・・3.5mm~4.4mm、
F孔まわり・・・・・・2.9mm~3.2mm、
魂柱あたり・・・・・3.2mm

ロアー・メインエリア・・・・ 2.3~2.6mm 渕3.2mm
渕・・・・・・・・・・・・・・2.6mm~3.0mm


裏板

≪サッコーニさん≫

アッパー・メインエリア・・・・・・2.4mm
渕・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.3mm 

センター・・・・・・・・3.5mm~4.5mm、

ロアー・メインエリア・・・2.6mm
渕・・・・・・・・・・・・・・3.3mm
 

≪Creonakuga 製≫
 
アッパー・メインエリア・・・2.6~2.8mm、
渕・・・・・・・・・・・・・2.8~3.2mm

 センター・・・・・・・3.6~4.5mm、

ロアー・メインエリア・・・・2.6~3.0mm
渕・・・・・・・・・・・2.7mm~3.3mm



横板も通常1.2mmオールの厚さですが、
Cremonakugaのは、1.2mmから2mm以上の箇所にしています。

平均的な厚さの分布や、中心からの高低差が、基準の なだらかな厚さのグラデーション、
また薄めに作ると 全体的に鳴りやすく、だれでもが良く鳴りますね!良い音色ですね!
・・・という楽器が出来ます。
また楽器は、楽器屋さんの店頭で、ほかの楽器と弾き比べると、
そこで比較され、すぐに鳴らないと・・困る・・ことは確かにありますが。
最初に、良く鳴らないと、そこではじかれます・・・・

弾き比べで、奥に含むその楽器の伸び幅、変化予想は、難しいです。


ストラディヴァリウスは、表板の年輪が、中心が特に とても細かい間隔の材料が使われている場合が多いように思います、裏板も1720年代のは虎杢の間隔が狭く、うねりの間隔が とても狭い材料が使われています。

必要な箇所をしっかり厚くした楽器は、鳴りにくいという意味ではなく、すぐに鳴ることは鳴るのですが、芯から、100%鳴り、深い音には、時間と弾き込みが要ります。

必要な箇所に厚い場所が有る楽器は、その部分も総て しっかり鳴りだすには、少し時間がかかります、弾き込みにもよりますが、厚い箇所は、ほかの部分をしっかり振動させるために必要なので、ほかの部分が良く鳴ると、その鳴り方や、音質に大きく影響します。深みとか趣とか、

薄さから来る鳴りだけでは、表現できない重要な意味を持ちます。

やはり弾き込む事により音が、良くなることが理想と考えています。最初から良い全開で、伸びが少ない楽器ではなく、最初から良い音であっても、弾き込みで、より深い音色、味、感動できる音がでてくる楽器をめざしています。
ストラディヴァリウスもグアルネル・デル・ジェズもそう作られているからです。名器のオリジナル楽器は、大方そう作られています。

一概に薄い楽器は良くないというヴァイオリンの話が常識になっていますが、それは マニュアル的な楽器では・・・という事になります。つまり 普通に鳴って 普通に丈夫で 普通の扱いで 長持ちする 一般的な楽器では・・・という事になります。

作る側としては なかなか その辺をうまく説明できませんが、あるレベル以上の楽器を創ろうとすれば、普通以上に薄い部分や、普通以上に厚い部分、常識では分からないグラデーション・・・
そのため ある程度変形を必ずします。変形=ゆがみが安定し 箱が動かない状態になって 本当の良い音が出ます。
そういう楽器は、大切に扱わないと 傷みます。湿度、温度、汗・・・など使用環境の影響も大きいです。






久我ヴァイオリン工房    久我ヴァイオリン工房    久我ヴァイオリン工房

cremonakuga violino cremonakuga violino cremonakuga violino
by cremonakuga | 2012-10-23 14:26 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://cremonak.exblog.jp/tb/17041284
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< イタリアンテーブルワインを試し... ヴァイオリンの故郷の国の水・・・ >>