ヴァイオリンの音を製作する。

久我ヴァイオリン工房
cremonakuga violino

A. Stradivari Marie Hall-Viotti1709

・・・・の音を考え、木と相談しながら音色を紡ぎ出す作業に入りました。



ヴァイオリンを作るとは、製作者により それぞれ考え方が違うと思いますが、共通しているのは、美しく、良いのヴァイオリンだと思います。

・・・綺麗な形、綺麗なニス、視覚的に美しい、置物にしていても自然に間が持つ・・・・

美術品のような・・・美しく作ろうとすることを最優先してしまいがちですが、 、置物、家具調度品ならそれで良いのですが、美しく良い音が共存しないと成り立たないのが やっかいなヴァイオリンなど楽器という文字が表す道具たち・・・道具の持つ美しさ・・・完成された機能美・・・

どんなに美しくても普通の音の楽器では・・・いや普通ならまだ良いのですが、音が悪くては最悪です。
そんなに美しい音色でも、作りがガタガタでは・・・・
・・・これまた弾く気すらしなくなりますし、道具としても成り立たず見た目からも良い音に感じません。

・・・・・・・外部の形と、その内部を削って その楽器の音を作る時で、その楽器の基本的な性格が決まる・・・・・・
今、内部を1mmくらい余裕をもちながら粗削りしていますが、予定より厚くても良さそうです。現在タップレベルはG#です。予定はFからFシャープです。表板が、きっとなかなか下がらないと思うので、裏を下げ過ぎるとストラディヴァリの組み合わせにならなくなるので、もう少し削って、いったん中止し、表板を削ります。そうして2枚の音響を合わせていきます。
ヴァイオリンの音を製作する。_d0040395_13104775.jpg

裏板は、上下削らない部分を残しておいた方が安全!、良さそうで、表板は、上部のみ残すことにします



・・・・・今、裏板中央部で4.5mmオール、上下で3.5mmオールです。

モデルの実物のストラディヴァリは中央部で3.6mm一番厚い部分で4.4mm、上下で2.5mmから2.9mm
木材が異なりその部分、部分の変換が、結構時間と難しさを感じます。



考えて、想像してみてください、ここの年輪は広い、ここの年輪は細かいから、ここの列上から下まで、2%?3%?減らそう、増やそう?タップ音の隣とのつながりは自然か?・・・・・・あまりに変換が複雑ですと、まさにアタマがウニ状態になりそうになります!
きっと誰しもが、アタマはウニ状態になると思います。

その為にも同じような年輪の素材を探すことが変換が少なく良い方法です。今回裏板は全体に厚く、表板は、中央部を少し厚い比率にしないといけないようです。
ヴァイオリンの音を製作する。_d0040395_13354527.jpg

実際のストラディヴァリの厚さのグラディエーションを別な木材に合わせたグラディエーションにします。
同じ厚さデザインを写すのではなく、音響的に同じようなグラディエーションを探るということになります。

大方完成しましと、その板をタップしたとき、良いか悪いか分かります。とても美しい響きで相性が合う表板・裏板が出来た時は、間違えなく良い音のヴァイオリンになります。時間を掛ける先に大きく見えるものがあるから頑張れるのです。

偉そうなことを、クドクド書きましたが、結果は正直に音響に現れますので能書きは、必要ないんです!、気が、抜けません。


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by cremonakuga | 2012-10-18 14:06 | ☆ヴァイオリン製作日記 | Trackback | Comments(0)
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